『SOMPO123 先進国株式』はイチニサンではなく、ワン・ツー・スリーです その2)
2022年8月12日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
「指数」(イデックス)は、
その考え方が一見分かりやすそうで
その実「複雑」であったりもします。
世界でいちばん有名な株価指数
米国の「ダウ平均」は、
同指数に採用する、あるいは除外する会社を(意外にも、)実は「話し合い」(Average Committee・平均委員会のメンバー内)によって決めています。
別に定量的なスクリーニングのプロセスがあるわけではないのですね。
なんだか原始的。
先日『お金の広場』の、こちらのブログ記事の中で、こんな文章を見つけました。
私はインデックスというものを
「その対象の動きを抽象化するもの」として捉えていました。
同感です。
わたしはインデックス(指数)とは、
その市場を『最大公約数化』したものだと思います。
上記ブログ記事では、
新旧の東証株価指数(TOPIX)についての言及もあります。
今のTOPIXは日本の市場を東証1部で切り取り、新しいTOPIXは東証全体の大型株で切り取ろうとしているわけですが、そういう考えなら「もっといい切り取り方はないのか?」という発想も出てきます。
元々、日本の市場を映していることの正解はないわけなので、今の切り取り方に囚われることなく、よりよい切り取りを目指していく、
こちらの文章の表現のしかた好きです。
(「お金の広場」の管理人は『たくなく』さんとおっしゃるのだそう。)
(市場の)「もっといい切り取り方はないのか?」
という探求心こそが、
より良いインデックスファンドを作っていく『原動力』になるのではないでしょうか?
昨日お話した『SOMPO123 先進国株式』は、
運用会社自ら
任意に『市場を切り取って見せている』わけです。
※明らかに挑戦です。
わたしは
より良いインデックスファンドを作るために、
「指数」、あるいは
「市場全体を概念的に捉える物差し」を作っていくべきだと思います。
現在、指数算出会社が算出する「指数マーケット」は、明らかに寡占状態にあり、市場全体を概念的に捉えよう!(=指数)という初期の頃の初々しさから見ると、明らかに『革新性』が欠けてしまっていると感じます。
米国ではウィズダムツリーというETF運用会社や、
モーニングスター(投信評価会社)が
自前の「指数」を組成したりしています。
そもそも運用会社が自分で
「指数の類」を作ってしまえば、
これまでのように
指数算出会社が提供する「指数」を使用することで発生していた、
ライセンスフィー(商標使用料)を
支払う必要がなくなります。
他のインデックスファンドとのコスト競争上、
このライセンスフィーを支払う必要がないという「利点」も持つのです。
先ほど述べた、
運用会社自ら
任意に『市場を切り取って見せている』、
その
銘柄のピックアップ法、
銘柄の入れ替え作業そのものも、
それら行為に
ある種のルール付けが為されるなら、
それそのものが、
その運用会社独自の
『市場全体の動きを抽象化し取り込む仕組み』になり得るのでは?
もしかすると、です。
20年後の地平から見ると、
が、「SOMPO123 先進国株式」の課題は山積みです。
まず知名度を向上させる必要があります。そして自分たちのトライアルが、時代を先取りしている事を知らしめる必要があります。
すなわち、
わたしは
「SOMPO123 先進国株式」に、第二世代のインデックスファンドと、標榜していただきたいくらいなのです。
【追記】23年1月25日
〇 ケンズさんの貴重な記事
『SOMPO123 先進国株式 1年リターンは参考指数を2.9%上回る好成績』
カテゴリ:インデックス投資全般, 指数のお話