インデックス投資全般

『SOMPO123 先進国株式』はイチニサンではなく、ワン・ツー・スリーです その1)

2022年8月11日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

そもそも、
インデックスファンドって何でしょう?

 

えっ、なに?

 

さまざまな投資主体がある中で、
ある特定の投資領域の中で、

数多の運用者の「平均」を
なぞることが出来れば、
それでOKと割り切る金融商品が、インデックスファンドであるはず。

 

結果として
他者の「平均」を概ねなぞっていれば、

特定の『指数』を持ちだしたり、
その『指数』と連動することがワタシの目的!と声高に叫ばなくても、(別に)よいのではないか・・?

 

 

 

 

昨年の12月にデビューした
『SOMPO123 先進国株式』という投資信託は、
インデックスファンドとは何なのか?という問題提起をしています。

 

『SOMPO123 先進国株式』は
特定の『指数』と同じ動きを目指します!とは言っていません。

そのため、
「アクティブファンド」に分類されますが、

わたしは『インデックスファンド』に限りなく近い投資信託と考えています。

ちなみに「123」はイチニサンではなく、
ワン・ツー・スリーと読みます。

 

 

インデックス投資の概念の第一義は
特定の『指数』と連動することではなく、

 

多くのライバルの運用成果の『平均』を獲得することである。

と、
(少し大胆に)解すれば、

『SOMPO123 先進国株式』はこの半年間、
数多の運用者の『平均』を概ね獲得できているようです。

(日本以外の「先進国株式」という投資領域において。)

 

 

 

画像元:「SOMPO123 先進国株式」2022年上期の運用状況

 

上期全体で見ると、参照指数より少し上振れしていますね。

 

 

繰り返しですが、
当該ファンドは「MSCIコクサイ指数」との連動は目指していません。

が、
参考指数の「MSCIコクサイ指数」と概ね同等の値動きになると想定しながら、組み入れ銘柄を「任意に」選んで、運用を続けているわけです。

 

 

この「任意に」の部分をもって、
当該ファンドは
アクティブファンドであるとされます。

 

しかし、結果として、
(実質)目指しているところは、
インデックスファンドそのものなのです。

 

 

 

 

「SOMPO123 先進国株式」は、

・先進国の株式123銘柄程度に投資
・信用格付けが低い企業の株式を投資対象から除外

しています。

 

先進国株式インデックスファンドだと、
指数(MSCIコクサイ指数)に組み込まれる1000を超える大小さまざまな銘柄を保有しますので、どうしても「売買の執行コスト」や「銘柄の保管コスト」がかさんできます。

(※特に小国の、規模が小さな銘柄など。)

 

「SOMPO123 先進国株式」は、
流動性が高い123銘柄程度にまで投資対象を「絞り込む」ことで、

維持コストを極力抑えつつ、
ポートフォリオの分散効果を損なわないようにしているわけです。

(当該ファンドの運用管理費用は
0.077%(税込)という低さとなっています)

 

 

・自分たちで銘柄をピックアップし、
自分たちで銘柄の組入れを見直しながら、
→ 概ね「指数」と同じような値動きを実現すること。
と、
・指数との連動を目指し、
= 指数に構成される銘柄を組み入れて、
→「指数」と同じような値動きを実現すること。
を比べてみましょう。

 

 

プロセスは異なりますが、
目指すところは「ほぼ同じ」ではないでしょうか?

 

 

 

 

「SOMPO123 先進国株式」はアクティブファンドという衣は被っていますが、「ハート」はインデックスファンドそのものだとわたしは思います。

 

・自分たちで銘柄をピックアップし、
自分たちで銘柄の組入れを見直しながら、

と先述しましたが、

 

「SOMPO123 先進国株式」では
銘柄の見直しは、運用会社の任意によるため、

事前に(対外的に)
『銘柄入れ替え』をアナウンスする必要がありません。

 

 

 

 

それに対して、
指数との連動を目指すインデックスファンドは事情が異なります。

 

「指数」に組み入れる銘柄の『定期的な入れ替え』は、
指数算出会社によって、
(実際の銘柄入れ替えの前に)リリースとして発表されます。

 

実際にその「指数」を利用して、
インデックス運用を行っている機関投資家が多数存在するためです。

 

 

例えば、です。

「B」という会社が
『MSCIコクサイ指数』に新たに組み入れられると発表されると、

機関投資家(大口)の買いを予想して、
(実際の銘柄組み入れの前に)B社の株価は上昇してしまいます。

 

 

あなたが保有する
先進国株式インデックスファンドも勿論、
B社の株式を
「指数」の組入れ比率程度には買わないといけません。

 

が、株価が高くなってしまっていると、
割高に買わざるを得ない状況になるわけです。

(これはそのまま、
そのインデックスファンドを保有する「あなた」の不利益になり得ると思いませんか?)

 

 

指数との連動を目指す = それがインデックスファンド と、
概念としては分かりやすいのですが、

指数は鋼で出来た「鉄の枠」のように、
時に堅牢過ぎて融通に欠けるところがあります・・。

続く・・)

 

 

 

カテゴリ:インデックス投資全般

おすすめの記事