バランスファンド

8色弁当「eMAXIS Slim バランス」の秘密とは?

2022年8月8日


こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

バランスファンドはその特性として、
「誰にも分かりやすい」
ということが挙げられます。

またバランスファンドは一般的に
「初心者向けの投資信託だよね」と解されます。

 

有名な「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」を例に挙げてみましょう。

この資産配分は
まさに『8色弁当』です。

 

 

 

よく言えば「シンプル・明快」

悪くいえば?

「なんだか単純。」
「自己主張がない、のっぺりした資産配分。」

 

 

相談者さまからは、
こんな質問をいただいたことがあります。

 

(8資産均等型を指しながら、)

 

「カンさん。8つも投資対象があると、
運用するのもけっこう大変じゃない?」

 

えー、そこは別にタイヘンではないのです(^^)

 

 

実は「eMAXIS Slim バランス」は

8つの母親ファンドを
「つまみ食い」して組成しているだけです。

 

実際に銘柄(株、債券、REIT)を組み込んでいるのは、
『マザーファンド』(母親ファンド)のほうなのですね。

 

 

 

 

上記8つの『マザーファンド』は
いずれも潤沢な「純資産残高」があります。

これらを均等につまみ食いするだけの
「eMAXIS Slim バランス」(ベビーファンド)ですから、

維持コストがけっこう低く抑えられるのです。

 

ついでに申しますと、
三菱UFJ国際投信の

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)も
eMAXIS バランス(8資産均等型)も、

 

また、
つみたてNISA用に作られた
つみたて8資産均等バランスも、

すべて【同じマザーファンド】から作られており、
いずれの中身も『まったく同じ』なのです。

 

なので「運用管理費用が異なるというのはやっぱりおかしいですよ・・」、三菱UFJ国際投信さん。

 

 

さて次に、
「eMAXIS Slim バランス」が
どの程度のリスクを負っているかですが、

 

株式・REIT(リート)62.5%
債券 37.5% 

 

と、分けてみるとわかりやすいでしょう。

 

REIT(不動産投資信託)は株式と同等の『リスク・リターンの特性』を持つ、「ハイリスク型資産」です。

したがって、
「eMAXIS Slim バランス」では
ハイリスク・ハイリターン型の資産割合が62.5%である、

という認識が重要です。

 

 

 

 

仮に2008年のリーマンショックのような
暴落に見舞われた場合、

株式・REIT(リート)部分は
「マイナス50%」
債券部分は「マイナス20%」程度になることが予想されます。

 

計算式としては、

・62.5% ×「マイナス50%」
・37.5% ×「マイナス20%」となり、

「eMAXIS Slim バランス」の期待損失割合は
『マイナス38.75%』程度と推察します。

 

バランスファンドと云えどもけっこうリスクは大きいのです。

 

続いて、
8つの資産を『均等』に保持する意味合いです。

 

これは、
どの資産にも、あるいは
どの国・地域にも

「肩入れしないよ」「等距離を保つよ」という意思表示そのものでしょう。

 

たとえば「先進国株式」という一つの投資対象だけでも、毎年毎年の結果リターンは「不規則性」を帯びます。

 

 

 

それに加えて、

異なる資産たちと
「先進国株式」を比べても、

また同じ株式である
「国内株式」「新興国株式」と比較しても、

 

以下図表のように、

 

 

 

 

「先進国株式」の
相対的な成績の『浮き沈み』は、これまた「不規則性」を帯びるわけです。

 

つまり、

「eMAXIS Slim バランス」が
8つの資産を『均等』に保持するのは、

どの国・地域も
どの資産も、

「等距離で見据えている」(= 同じ程度に信用していない)という、達観した視線の結果、なのです。

 

すごくオトナの資産配分なのですね。

 

 

かつて個別株投資をされていたあるお客様は
「eMAXIS Slim バランス」を評して次にように言われました。

 

「全天候型。過剰も不足もない。こういう金融商品があるんですね」

 

ちなみにその相談者さまは、
個別株投資から、
バランスファンドへ大規模なお引っ越しをされ、引退されています。

 

バランスファンドは初心者向きの投資信託、ではないことを申し添えておきます。


カテゴリ:バランスファンド

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