つみたて投資

一括投資か、つみたて投資か、拡大つみたてか?

2022年8月6日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

古典的な論争になっている
『一括投資』それとも『つみたて投資』問題。

(もしかすると『拡大つみたて』?)

 

まずは投資対象が、
「広範な分散を施す、低コストのインデックスファンドである」という前提を。

そして「長期で投資を続ける」という前提も大切です。

 

理論的にいえば、
『一括投資』が(つみたて投資)に勝ります。

 

えっ!

 

 

 

ココに
長く寝かせておける『1000万円』があるとしましょう。

 

このお金は
理屈でいえば、
明日いっぺんに投資したほうがベターでしょう。

 

なぜなら、

 

本当に明日から1000万円という規模の『運用資産』として、投資できる期間が『もっとも長くなる』ためです。

 

投資資金 × 利回り ×投資できる期間 の「式」に照らしても、有利さは明快です。

 

でも、投資のビギナーには決してお勧めしません。

 

「ゼロ近辺」から「1000万円」にいきなり飛躍するのは、あまりにもアドベンチャー(危険)過ぎます。

 

 

 

 

仮に、ですが、あなたが投資を始めて5年以上経っていて、「つみたて投資」の運用資産額が最低500万円以上あるのなら、
1000万円の『一括投資』を
考慮されても(もしかすると)よいかもしれません。

 

その際も、
こころの『持ち様』として大切なのは、

ワタシのメインの投資
「つみたて投資」と見なすことでしょう。

 

1000万円の「一括投資」は、
大きなおまけ。

 

実際に、

・メインの「つみたて投資」→ メインのネット証券口座
・「一括投資」        → サブのネット証券口座

というふうに、

『窓口』をわざわざ分けておられるお客様もおられます。

(保有するインデックスファンドは同じですが。)

 

 

 

 

もしもわたしが投資歴6年半で、
つみたて投資のほうで600万円ほど運用資産があれば、

この1000万円は(あえて)分けて投資します。

 

・・ほんらい内気で心配性なためです。

 

理論的に見れば、
(分けて投資をすることで)
『一括投資』より成果が劣るとしても、

実際、投資資金を入金していく際の、
自身の「気持ち」(感情)を安定させることを優先させます。

 

毎週200万円ずつ買って、
5週間で1000万円の入金を終えてもいいですし、

毎月200万円買って、
5ヵ月かけて「ミニ積立」のように入金してもよいでしょう。

 

上記のような方法を実施して、

何かリスク・リターンの特性上、
「効果」があるかといえば「特にありません」。

『気持ちの安心料を買う・・』ということなのです。

 

今はYouTube動画が全盛ですが、
くれぐれも、

 

理論の神様がこう言っているから、
『1000万円分一度に買わないと!』
というふうに、
自分を無理強いしないようにしましょう。

 

 

大事なことは、

1000万円『一括投資』か『つみたて投資』かではなく、
1000万円の投資を(実際)続けられるかどうかなのです。

 

 

もうひとつ、大切な視点。

 

それは、
これまで行ってきた『つみたて投資』に対するあなたの満足度、でしょう。

 

あなたはどの程度『つみたて投資』という手法に満足されていますか?
あなたは『つみたて投資』という方法が、
どのくらい自分に「合っている」と感じますか?

 

もしも『つみたて投資』に対する信頼度が高く、
自分にフィットするやり方だと思われるなら、

無理して「1000万円分」一度に買うより、

無理せず、今までやってきた
「つみたて投資」を拡大解釈して、

積立金額が多めの『つみたて投資』をされる事を、わたしは強くお勧めします。

 

 

 

 

「1000万円」という大きな塊で見るとどうしても緊張してしまいますから、こちらの包丁を用いて、

 

 

 

 

大きな塊を(たとえば)「40スライス」に切り刻むのです。

 

すると、50万円×40ヵ月 となります。

(それでも怖い人は 25万円×80ヵ月でも構いません。)

 

→ 要は「ストック」を「フロー」に分解するわけです。

 

これが「拡大つみたて」です。

 

 

ある程度時間をかけて『大きめの資産』を積むことで、

ある程度時間をかけながら、
あなたの『リスク耐性』が高まっていきます。

 

あなたと、
資産が
シンクロしながら「成長」するわけです。

 

これこそ、無理のない「入金の仕方」と考えます。

 

この『流れ』を意識して作ることで、1000万円分の投資が長く続けられる確率が増すと考えます。

 

 

 

 

当クリニックでは基本、
2年ないし3年程度で【拡大つみたて】を実行するのをお勧めしています。

 

・・なぜ、「2年」「3年程度」なのか?

 

少しテクニカルになることをお許しください。

 

10ヵ月や12ヵ月では期間が短すぎ、マーケットが下落するだけ、あるいは上昇するだけという「一方向」に終始する可能性があります。

 

「つみたて投資」は
最低18ヵ月から20ヵ月程度続けることで、
市場の上昇局面、下落局面両方を「経験」できる可能性が高まるという米国の論文を通読したことがあります。

 

もちろん6年程度(70ヵ月程度)かけるのもOKですが、せっかくまとまった資金が手元にあるわけですから、「拡大つみたて」の期間は「3年内程度」に収めるのがよいでしょう。

3年は36ヵ月、おおむね40ヵ月以内。

 

 

つまり、当クリニックの主張は
『拡大つみたて』!
24ヵ月程度から40ヵ月程度で実施する。です。

 

拡大つみたては、
これまで行ってきた「純粋なつみたて投資」と同じく、つみたて金額を設定するだけでOKです。

 

ただし、50万円×40ヵ月のイメージなら、
40ヵ月が経った時に「つみたて設定」を解除する必要があります。
これだけは忘れないようにしてくださいね。

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