100年ライフプラン

55歳の知恵。住宅資産の余剰を金融資産に付け替えるってどういうこと?

2022年8月5日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

今日は、
『住宅資産を利用して
金融資産を増やしませんか?』というご提案です。

 

人生にはお金の貯め時が「二度」あります。

一度目は独身時代。
基本、自分のための支出のみですから、お金は貯まりやすいです。

 

二度目は、55歳~60歳くらいでしょうか。

子育ての目途が付いて、
お子さんが大学に入ったり(下宿する)、学校を卒業したり、社会人になったりすれば、あなたはパートナーと「ふたりの生活」に戻るわけです。

 

ちょっとドキドキしますか?

 

 

 

 

月の支出も自然に減って、
ここからリタイアに至るまでが
お金の「貯め時」となります。

 

金融資産を用いた資産形成指南のFPの立場から申し上げると、

 

リタイアすれば、
トータル資産から
(運用を続けながら、)
規則的に資金を「取り崩す」フェーズに入るので、

 

リタイアまでに
「いくら金融資産が積めるのか?」がたいへん重要になります。

 

 

トータル資産(全ストック)を想像してみましょう。

都内でマイホームを所有する人は、

金融資産に比べて、
『住宅資産の割合』が突出している可能性があります。

もちろん、
これは住宅資産の『価格上昇』の結果であり、良いことです。

 

 

画像元:suumo ジャーナル

 

現在、都内で持ち家(マンション)に居住する人で、含み益を抱える人は多いはず・・。

具体例を挙げてみましょう。

 

 

4400万円でマンション購入。→ 現在評価額 5500万円。
(住宅ローンの残債。1100万円)
預貯金    1000万円
投資信託など 1500万円  をご所有。

 

この場合、
トータル資産(8000万円)の中で、
マンションという資産が67.5%を占めています。

 

しかしながら、アセットプランニングの実務では、「自分が住む家は、資産には合算しないほうがよい。」という意見もあります。

 

上例でいえば、

持ち家が 4400万円 → 5500万円(時価)に値上がりしたとしても、

「現に自分が住み続けている」ため、
「資産」として売るようなことはない。という前提があるためです。

 

 

「そうそう、持ち家の資産額がいくら値上がっても、それは絵に描いた餅だよ。」

 

 

 

 

 

ん・・? しかしながら、

55歳~60歳くらいで、
ご夫婦お二人の生活に戻っておられるなら、かつリモートワークが可能なら、

絵に描いた餅ではなく、本当のお餅にする、つまりホントにご自宅を「売却される」のもアリだとわたしは思います。

 

 

具体的には、

 

東京から、
神奈川、埼玉、千葉あたりの隣県の、あるいはそのお隣の県の、ちょっと長閑な『中古マンション』に買い換えをするのです。

 

 

そうすれば、

住宅資産の含み益を「実現益」とし、
それを『金融資産』のほうに積み上げることが出来ます。 

 

これが、住宅資産の余剰を金融資産に付け替えるという意。

 

 

結果、
トータル資産(全ストック)における、
「住宅資産」と「金融資産」のアンバランスさも是正されます。

 

 

「カンさん。理屈は分かるけど・・。
今の家が高く売れたとしても、
買うほうの家も高くなっちゃうから困るんです。」

 

 

あっ、なるほど・・。しかし、先ほどのグラフでは都内の中古マンションの上昇率に比べて、他の関東3県の上昇率は緩やかになっていますよ。

 

「セカンドライフの居住地を選ぶ。」を前提に、

本当はこのあたりに住みたかったんだ・・みたいに、次の「居住地」をあれこれ探すのも(また)楽しいのではないでしょうか。

 

 

 

 

例えば、こんな具体例です。

 

都内のマンション  5500万円
(住宅ローンの残債。1100万円)
預貯金    1000万円
投資信託など 1500万円   を、
千葉の長閑な中古マンション 3500万円
預貯金   1000万円+900万円
投資信託  1500万円
という、
資産配分にシフトさせる。

 

(これがいわゆる『住宅資産のダウンサイジング』です。もちろんリモートワークが可能であるなど、ある一定の条件を要します。)

 

 

都内不動産を売却。ローン抹消後4400万円が残り、千葉県内の不動産を現金購入。

それでも金融資産に回せるお金が「900万円」生じるという計算です。

 

この、+900万円こそが、
住宅資産の余剰分。
これを金融資産に移した、ということです。

 

もしも諸費用等で200万円程かかったとしても、

+700万円、
金融資産が増えるわけです。

 

 

この700万円を用いて、
純粋な「つみたて投資」とは別に、

『拡大つみたて』によって
インデックスファンドを買い増していくという戦略です。

 

 

 

 

例えば、

14万円 × 50ヵ月
10万円 × 70ヵ月
8万円 ×  87.5ヵ月 のようなイメージです。

 

何ヶ月間かけて「拡大つみたて」を実施するかは、
あなたの完全リタイアまでの『期間』によります。

 

 

住宅資産は時間とともに逓減していく可能性が高いですが、金融資産(投資信託)は時間とともに逓増していく可能性が高いです。

 

今、首都圏の不動産価格が上昇している事実は、住宅資産の余剰を、金融資産に回す「一大チャンス」なのかもしれません・・。

 

金融資産のほうは値が下がっていますし。

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