投資家の感情リスク

アプリは削除してパソコンからファンド価格をチェックしたほうが無難です

2022年8月4日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

運用を『船の旅』にたとえてみましょう。

たしかに、彼方の目的地は存在していて、
実際に航海を続ければ、そこに辿り着けます。

 

 

 

 

しかし『目的地』(目標)はあまりにも彼方にあるために、今のあなたの興味、関心を惹きません。

 

彼方の『目的地』(目標)は身動きもせず、
変わり映えもせず、
ちっとも面白くないので、

ふだんの生活では忘れてしまいがちになるのです。

 

ん?
でも「目標」ってそういうものですよね。

 

 

それに対して、
身近にある、今起こっている事象は、すぐ認知できます。

 

『船の旅』を続ける中で

船そのものが揺れる、
航路を遮られる、

下を見れば、大小さまざまなゴミが漂っている、

雑音が耳につく、
誰かがモノを(海に)投げている、
それがまたゴミになる・・

 

直近の、身近な「イヤな出来事」があると、
彼方の『目標』はすっかり忘れてしまい、

「あーあ、オレもうこの船から降りるわ。」という気分になってしまいがち。

 

あっ、これは投資の例え話です(^^)

 

 

 

 

昨日のカウンセリングでお客様が、

 

スマホに
ネット証券のアプリを入れてから、
毎日ファンド価格をチェックするようになりました。

 

と言われていたので、

 

「んー、そのアプリは削除したほうがいいですよ。」と申し上げました。

 

以前、パソコンからのみ
資産管理画面を確認していた時は、

パソコンを立ち上げ、
それと気づいたときに、
わざわざID、パスワードを入力してログインしていたため、

今ほど頻繁に価格をチェックすることはなかったのだそう。

 

スマホ(頻繁にチェック) パソコン(たまにチェック)どちらが良いのでしょう?

 

海の上の話に戻ります・・。

○ 毎日毎日、船の周りを見ていると、

彼方の『目的地』より、
身近に、今起こっている「些細な事たち」のほうが、

より重要なことなんじゃないかと、
勘違いしてしまいます・・。

 

1ヵ月に1回だけ、資産状況をチェックしても、
何の支障もありません。

 

いや、半年に1度のファンド価格チェックで、まったく全く問題はありません。

 

ちゅり男さんが以下の記事を書いておられます。

インデックス投資家は1ヶ月ごとの損益を気にしても意味がない

 

 

インデックス投資家にとっては、「今月はいくら儲かった」「今月はいくら損した」ということ自体あまり意味がありません。

 

浮き沈みがありながら、長い時間をかけてポートフォリオを育てていくイメージが必要でしょう。

 

まさにそう。

 

 

 

 

ちゅり男さんも書かれていますが、

平均して年5%程度のリターンが得られれば御の字なのが「インデックス投資」ですから、1ヶ月前と比べて、+10%になった(増えた!)と騒いでも意味がないわけです。

(またマイナスのリターンになったりすることもあるため。)

 

私たちにとって大切なのは、
彼方の『目的地』を見据えて運用を続けることであり、

 

それはたいていの場合、
退屈で、ドラマ性に欠け、
おまけに忍耐力が要る行為となります。
スポットライトを浴びたりすることはないのです。

 

 

こんなに地味で目立たない「心がけ」に終始するのが、実は資産運用なのです。

身近な雑音に悩まされたら、
スマホからアプリを削除してみましょう。

 

先日のこちらの記事を再掲します。

 

バンガードが管理する401(k)プランの約500万人の参加者のうち、2021年に自分の口座をチェックした人は68%で、2012年の57%から上昇した。

 

平均して、モバイル機器を使用している人は2021年に20回見るのに対し、コンピュータを使用している人は10回だった。

 

 

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