つみたて投資

つみたて投資の弱点

2022年7月28日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

iDeCoでもつみたてNISAでもやることは同じです。
それは「つみたて投資」です。

よく『定時・定額購入』という言い方をしますが、つみたて投資にも一長一短があります。

 

 

 

例えば、

シンプルに
右肩上がりの『相場』がずっと続いた場合。

 

 

 

つみたて投資は
(一括投資に比べ)
リターンが劣ってしまいます。

 

たとえば毎月5万円の積立をする中で、
投資対象のファンドの価格が
順調に上がり続ければ、

 

(同じつみたて金額で)
買える『口数』が
どんどん減っていくことになり、

機会損失につながります。

 

あるいは、
次のようなケースはどうでしょう?

 

 

 

 

あなたがつみたて投資する投資信託が、「前半」はどんどん上がっていきましたが、「後半」はどんどん下がってしまいました。

 

(もし)一括投資をしていたら?

 

成績は?
±ゼロです。

 

 

ところがつみたて投資の場合、
成績は・・?

上例の場合、マイナス27%弱になります。

あらら・・・・。

 

 

もちろん、
投資を行う時間尺度をどう捉えるかで見える景色は違ってきます。

上図でいえば、

つみたて投資をさらに長く続けることで、
ファンド価格の上昇を待つという手もあるわけです。

 

 

 

 

ひとつだけ確かなことは、

つみたて投資は一括投資と比べて
長期にわたって投資を続けないと、
その効き目が出てこない投資法なのです。

 

 

冒頭で
右肩上がりの『相場』が続いた場合を挙げましたが、

逆に、
ファンドの価格が
どんどん下落し続けるようなケースはどうなのでしょう。

 

  

 

 

一括投資では
すでに投資の実行を終えているため、
損失(マイナス)が膨らんでいくばかりです。

いっぽう、
つみたて投資も
成績自体はマイナスが大きくなっていきます。

 

ただ、一括投資ほどには
損失(マイナス)の数字は膨らまないのです。

 

「それってなぜ・・?」

 

簡単です。
毎月ファンドを「買い付けて」いるためです。

 

ファンド価格がどんどん下がる中、
規則的に買い続けるつみたて投資は

『平均購入単価』も徐々に下がっていきます。

 

また、
ファンド価格が下落し続ければ
(同じつみたて金額で)
買える『口数』はどんどん増すため、

 

表面上見える「損益の数字」とは別に、
【口数の貯金】を行うことになります。

 

 

下落相場が長く続けば続くほど、

(かつ)その中で
積立を続ければ続けるほど、

この【口数の貯金】は大きくなります。

たとえば以下のケース。

 

 

 

10年後「つみたて投資の成績」はなんとプラス15%強となり、儲かってしまいます。一方、一括投資の成績はマイナス50%です。

 

『保有口数』を貯め込んでいけばいくほど、

(長い下落のあと)
投資信託の価格がわずかでも上昇すると

【口数】×【価格】の式によって、

あなたのつみたて投資の『成績』は急回復するのです。

(※一度貯め込んだ【口数】は決して減ったりしないため。)

 

 

リーマンショックの前から積立を続けていた人が、
その後の回復過程で
驚くほど大きなリターンを得たような例もありますね。

 

 

端的に言って、つみたて投資は
「悪い相場」に強いのです。

そして、
つみたて投資の成績が
最終的にプラスになるためには、

悪い、悪いのあとに、

後半、ないし終盤で、
投資信託の価格が『上昇』することもまた重要なのです。

 

繰り返しになりますが、
30年間積立を続けて、

 

 

のように、
価格が下がったままで「つみたて」を終えれば、

あなたの成績は
マイナスになってしまいます。これこそ「つみたて投資の弱点」です。

 

したがって、

 

長期の『時間軸』で見て、
期待リターンがプラスになるような「投資対象」を積み立てる。

 

これが大原則なのです。

でもこれって・・

『一括投資』でもまったく同じですね(^^)

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