『或る個人投資家の一生。』フローを重ねてストックを築く →(退職の日)→ ストックを今一度フローに戻していく・・
2022年7月26日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
ズバリ申し上げます。
「ストック」より
「フロー」のほうが大事です。
というより、
・・数百万円のお金が入ってきている。のほうが重要ということです。
なぜなら、
私たちの暮らしは
毎月毎月の「お金の流れ」、すなわちフローで成り立つためです。
毎朝午前8時頃に
まとまったお金(ストック)をいちいち「気にする人なんてあまりいないはず。
極端な話、
死ぬ直前まで自分の仕事(ビジネス)を維持できて、
年間480万円の手取りで
年間460万円の支出で、
(かつ)同じリズムを保つのが心地よい人で、
成人以降70年間上記を続けて、
最終手元に1400万円くらいお金が残り、93歳で人生がジ・エンドになっても、ぜんぜん構わないわけです。
ですから今、
あなたの手元に「まとまったお金」(ストック)がないからといって、そんなに悲観する必要はありません。
アリでもチンパンジーでも人間でも、
エサやお金を全部使ってしまわなければ、
手元に幾ばくか「貯める」ことが出来るわけで。
それらが積み重なっていずれ「ストック」となるのです。
大昔の『株式』もそうでしょう。
最初の頃は
値段(株価)なんていい加減なモノだったのでは?
株式を保有すると得られる『配当』に注目したはずです。
・株式とは『配当』がもらえる「紙切れ」だった
投資家であるあなたは「有限責任」で
例えばA社の株式を「1株」持てば、
その会社が儲けたお金の中から、
「1株分」の配当をもらう権利が発生するわけです。
利益がないと『配当』はゼロですが、
利益が段々大きくなると
会社の『配当』は増え、
「配当」が増えてきているから、その会社の価値が上がるわけです。
株式投資の観点から見ても、
健全なフローの連続が、
まとまった価値(ストック)を生み出すことが分かります。
そして、あなたやわたしのような個人の資産形成でも、健全な「フロー」を積み重ねて、まとまった「ストック」を築くことが目標になるでしょう。
しかしながら、
お金の管理の『リズム』が崩れてしまいます。
なぜなら「フロー」は日常であるのに対して、
「ストック」は非日常的な対象になってしまうためです。
ちょっと緊張してしまうのですね。
資産管理が上手い人とは一体どんな人?
まとまったお金(ストック)を保有していると、周りに意識させない人です。
つまり?
1億円を持っているようには見えない。
これはわたしが
カウンセリングの仕事を長年続けて実感することです。
どういうことかというと、
そういう人って
普段の生活では
手元の資産額(ストック)をなるだけ意識から遠ざけているのです。
毎月毎月の、
暮らしの中で生じる『お金の流れ(フロー)』に集中しています。
だから、
1億円のストックがあっても1億円を持っているようには見えない。
個人のお金の管理でもっとも難しい点は、
ストックの獲得を目指し
資産運用を頑張るわけですが、
それが実際に『達成』されると、
手元に積み上がった「まとまった金額」(ストック)を必要以上に意識してしまい、そのお金に手を付けられなくなることです。
この辺りの「気持ちのブロック」の取り除き方については、以下書籍でも詳述しています。
個人の資産形成は
「フロー」を積み重ねて、
まとまった「ストック」を築くことが目標です、
と先ほど述べましたが、
実は(すみません、)それが目標ではないのです。
人間ですから。
あの世にお金は持っていけないわけで。
実は投資の後半では
もうひとつ「仕事」が残っていて、
それは、
もう一度「フロー」に戻していってあげることです。
投資の長い階段を「下りる勇気」を持たないと、いつまで経ってもストック(まとまったお金)を持っただけの状態になってしまいます。
「或る個人投資家」の一生とは・・?
「フロー」を積み重ね、「ストック」を築く ⇒(退職の日)⇒「ストック」をもう一度「フロー」に戻していく。
けっこう長い道のりなのです。。。
カテゴリ:100年ライフプラン, リタイアメント・資産の取り崩し