輸出入を自由化すれば、投資信託の市場はもっと大きくなるのに・・
2022年7月7日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
実は「投資信託」は
とてもドメスティックな商品です。
日本国内で設定された投資信託は、
基本、日本国内でしか売っていません。
アメリカ国内で設定された投資信託も、
基本、アメリカ国内でしか売っていません。
映画も
ワインも
スマートフォンも、
世界中が『マーケット』であり、
良いモノであれば
世界中で売っていくことが出来るのに、
投資信託って
ちょっと「もったいない」と思いませんか?
という視点です。
トム・クルーズの映画
『トップガン マーヴェリック』なんて、
「利用人口」×「興行収入等(映画館・動画配信サービス・DVD購入レンタル等)」でいえば、
「3億人」×「300円~2000円」位に
行こうと思えば行けるわけで・・。
よく投資信託は、
ファンドの利用料が高いと言われますが、
どうしてコストが「高い」ままなのでしょう?
それは
「利用人口」×「ファンドの利用料」という式において、
世界戦略になっていないためです。
具体例を挙げましょう。
過去にも何度かご紹介した
バンガードの『インデックスファンド』って、
基本米国の居住者でないと買えません。
たとえば、
日本のマネックス証券で
「バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド」をかつて扱っていましたが、
当該ファンドは『外国籍の投資信託』の扱いであり、
おまけに「関税」ではないのですが、
マネックス証券が
年率 0.60%(税抜)もの口座管理手数料を課して、
『特別な輸入品扱いの投資信託』になってしまっていました。
日本の投資信託も同じです。
日本で設定された公募の投資信託を買うためには?
日本の銀行や証券会社で、
「口座」を保有している必要があります。
で、
日本の銀行や証券会社に口座を開けるのは・・?
・・・なんだかおかしいですよね?
投資信託という商品は
とてもグローバルな資産を扱っているのに、
その市場、
つまり【投資信託という商品のマーケット】は
基本、自国内で閉じていて、
超ドメスティックなのです。
わたしは
個人の資産形成の『道具』としては、
ETFより
インデックスファンドをお勧めしますが、
米国上場ETFのほうが、
圧倒的に「世界マーケット」を意識した商品になっています。
「利用人口」×「ETFの利用料」という観点で見てみましょう。
例えば、
バンガードのETF
Vanguard S&P 500 ETF (VOO)は、
日本に住むあなたも購入が出来て、
実際に
バンガード社に『年間経費率』を支払っているわけです。
「利用人口」×「ETFの利用料」という『式』に載せると
投資信託よ、国際化しましょう。
その国のみのマーケットで『閉じて』しまうと、
○ 厳しい競争にさらされず、
○ 高コスト構造の改善にもつながりません
犠牲になっているのは?
結局、私たち消費者なのです・・(-_-;)
世界を見渡せば、
EU(欧州連合)のように、
ひとつの投資信託が
EU内の複数の国で
自由に『購入』できる地域もあります。
でもこれは例外的であって、
まだまだ投資信託は、
ボーダレスに「輸入」も「輸出」もされていない商品なのです。
考えてみてください!
別に船や飛行機を使って
輸出入する必要もないわけです、投資信託は(笑)
冒頭お話しした、
「利用人口」×「ファンドの利用料」で云えば、
日本で設定された投資信託が世界中に輸出され、
その利用者が30倍、50倍になれば、
ファンドの利用料が1/10、1/20になることだって
ぜんぜん絵空事ではありません!
私たちがイメージすべきは、
日本に居ながら
海外で設定されている投資信託を
自由に購入できるようになり、
そして、
国内で設定された投資信託も
自由に輸出できるようになることです。
ワインやクルマや化粧品に出来るのに、
投資信託に出来ないはずがありません・・。
カテゴリ:投資信託あれこれ