NISA活用法, 確定拠出年金(iDeCo・企業型)

商品数がどんどん増えるつみたてNISAと、商品ライナップは35本までのiDeCo

2022年6月10日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

今日は問題提起です。

4月8日付で
「つみたてNISA総合ガイド」(モーニングスター)に
以下のニュースが載っていました。

 

つみたてNISA対象商品に
「HSBCワールド・セレクション(成長コース)」を追加。

 

これにより、
つみたてNISA対象ファンドは、

指定インデックス投資信託181本、
指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等)23本、ETF7本の計211本になった。

 

211本! ずいぶん増えましたね。

 

 

 

 

まあ、
増えることは
別に悪いことではありません。

ただ、
一体どこまで増えるのだろう・・と思ってしまいます。

 

 

金融庁としては、
指定「指数」にきちんと当てはまり、
運用管理費用も規定水準以下であれば、

(新たな申請に対して、)
断る理由は特段ないのだと思います。

 

しかし、そもそも初期の段階で
つみたてNISAの対象商品の『上限本数』って決めていなかったのでしょうか?

 

たとえば、
指定『指数』ごとの「枠」ってないのだろうか?

ないのでしょうね)

あるいは、
運用会社ごとの「上限ラインナップ本数」は・・?

ないのでしょうね)

 

もちろん、
窓口の金融機関によって

実際の『つみたてNISA・取扱い本数』は大きく異なります。

上記211本は、
あくまで『登録されている全本数』のことです。

 

(今、SBI証券では取扱いが160本を超え
楽天証券では取扱いが150本を超えています。)

 

 

 

 

次に「あなたのお気持ち」を伺ってもいいですか?

 

あなたはつみたてNISAの本数が
今より増えたほうが、
投資信託がより選びやすくなると感じますか?

 

YES?

ではないですよね。

 

マニアックなニーズは
もちろん存在すると思います。

ただ、ふつうの生活者が
長期で資産形成を行う前提でいえば、
もう商品数は十分だとわたしは思います。

 

 

そもそも、同じ『指定指数』で
―例えばトピックスとか、MSCIコクサイ指数などで―

こんなに本数っているのでしょうか?

また運用会社ごとの『ラインナップ』で云えば、
例えば三菱UFJ国際投信は
つみたてNISAですでに「34本」もの品ぞろえがあります。

 

でも
主に銀行での
つみたてNISAを想定して作られた「つみたてシリーズ」と

「eMAXISシリーズ」と
「eMAXIS Slimシリーズ」とで、

投資対象が重なっています。

(同じ『投資対象』では概ね同じ『マザーファンド』になっていますし。)

 

こんなに本数、要ります?

 

 

 

 

 

次です。
逆に『iDeCo』はどうなのでしょう?

 

ひとつの窓口における
商品ラインアップ数は「35本」に限定されています。
(これは制度改正で決まったものです)

 

『本数』が制限されるのは、
基本的に良いことだと思います。

ふつうの人にとっては
「数が多ければ多いほど、選び切れなくなるため」です。

 

ただ、
本数に制限があるため、
(仮に良い投資信託が出てきたとしても、)

「じゃあこれも取り扱おうぜ!」と
安易にラインナップに加えることは出来ません。

 

すでに35本揃っているiDeCoの金融機関ならば、
「何かを加えるためには?」
何かを除く必要があります。

 

 

 

 

 

iDeCoですでにラインナップされている
投資信託を除外するためには、

そのファンドを保有している人たちの
一定割合の『同意』を取り付ける必要があります。

 

このように
商品数に上限があり、
かつ商品の入れ替えに制約がかかるため、

iDeCoの世界では、

あとから参入するほど、
より良い投資信託を揃えやすいという矛盾があります。

 

 

逆につみたてNISAは今のところ
「本数制限」がないため、

新しいファンドを
あとからあとから付け加えやすいわけで・・。

(でもその結果『本数』だけが
節操なく増えていく可能性もあり・・)

 

また投資家目線で見れば、
つみたてNISAのラインナップと、
iDeCoの取扱い本数に『格差』があるために、
つみたてNISA、iDeCo双方の窓口で
「同じ投資信託に揃えにくい・・」
という問題を抱えています。

 

 

 

 

iDeCoのほうは
ファンドの入れ替え(新採用・除外)をしやすくしないと、

上限35本の「商品ラインアップ」が、
長期的に見ると「時代の変化」に取り残されてしまうことになります。

 

(またつみたてNISAは逆に
本数の制約や、つみたて設定件数が極端に少ないファンドは『除外する』などの対策も必要なのでは・・?)

 

私たち投資家が商品を選びやすく、
かつ(窓口が複数に跨っても)
ポートフォリオを組みやすくすることが大切と考えます。

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