i シェアーズのAGG、経費率でバンガードBNDを逆転
2022年4月28日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
米国債券ETFは地味な存在ですが、
根強い人気を誇ります。
投資における資産配分、
特に『資産の分散を図る』という考え方が、米国人の資産形成で徹底しているからでしょう。
iシェアーズ・コア 米国総合債券市場ETF(AGG)
実はAGGのほうが設定は早く2003年。
BNDの設定は2007年です。
なぜ「債券総合」なのかといえば、
組入れの債券の種類が多岐にわたるためです。
画像元:iシェアーズ(ブラックロック)
バンガードのBNDも
上記とおおよそ同じ資産構成を持ちます。
なぜなら、BNDもAGGも
連動を目指す指数が「ブルームバーグ 米国総合債券インデックス」で同じであるためです。
またコスト競争も熾烈です。
現在BNDの年間経費率は0.035%
いっぽうAGGは現在0.03%となりBNDを逆転しています。
(ただし純資産残高はBNDがAGGの約3.5倍あります)
ところで、両債券ETFとも年初来の成績はマイナスです。
当然でしょう。
金利が上昇すれば、債券価格は下落しますから・・。
ここのところ、
債券投資については良い話を聞きませんが、
しかし「時間差」の視点を持てば、
債券インデックスへの投資妙味が湧いてくるはずです。
2022年、米国FOMCで仮に
5月、6月、7月ともに0.5%の利上げ。
9月、10月、12月それぞれ0.25%の利上げが実施されれば、
計2.75%の利上げとなります。
仮に2022年末の時点で、
・名目金利(長期金利)と
・期待インフレ率を比較して、
名目金利のほうが上回っていれば、債券投資に妙味が出てきます。
ここでは期待インフレ率の物差しとして
「ブレイクイーブン・インフレ率(10年)」を挙げましょう。
下記は、あくまで4月27日時点の10年物ブレイクイーブン・インフレ率(2.88%)です。
4月27日時点の米国「長期金利」は2.83%
ブレイクイーブン・インフレ率(10年)は2.88%
・・だいぶ近づいてきています。・・
債券投資を続けることで、実入り(利回り)が期待インフレ率を上回る状況がやがてやってきます。
最後に、AGG、BNDとも組入れ銘柄が「10,000銘柄」を超えているのは特筆すべき点でしょう。
【追記】米国現地時間4月29日付けで、バンガードのプレスリリースはBNDの年間経費率を0.03%に引き下げることを発表しています。これでまたAGGと並びますね。
カテゴリ:インデックス投資全般