iDeCoの優位なところ、つみたてNISAの優位なところ
2022年4月23日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
洋食 VS.和食
お布団 VS.ベッド と同じように、
iDeCoとつみたてNISAは『好対照』です。
制度そのものの性格、
そして双方のキャラクターが、ずいぶん異なっているのです。
例えばiDeCoは昭和の厳格なお父さん。
iDeCo | つみたてNISA | |
書類 | 多い | 少ない |
開設までの時間 | 長い | 短め |
iDeCoって、きちんと書類主義!なのです。
もちろん皮肉です。
一方つみたてNISAは機能的でスリムな感じ。
厳格なお父さんのiDeCoは、
「60歳になるまでお金が出せません。」
(まるで厳しい門限を課しているよう)
投資家であるあなたは、↑ 時に息苦しさを感じます。
一方つみたてNISAは
いつでも(ファンドを解約して)お金を出すことが出来ます。
自由な空気が流れます(^^)
ところが、一見デメリットに映るiDeCoの「60歳になるまでお金が出せません」は、
考えようによっては、
知らず知らずのうちに「長期」に矯正していくギブスの役割も担っています。
健全なスタイルが身に付きやすいという側面があります。
実はここがiDeCoの優れている点だとわたしは思います。
一方つみたてNISAは
いつでもお金が出せる「自由」があるゆえに、
誘惑に負けず、雑音に惑わされずに
自助努力で
長期の投資スタイルを構築していかねばなりません。
これは「茨の道」です。
どうして茨の道かというと、
つみたてNISAの場合、
その長い道のりの途上で何の「ご褒美」もないのです。
これはつらい。
一方のiDeCoは、毎年「所得控除」という『ご褒美』があり、マーケットが荒れても、ファンド価格が急落しても、(節税効果が毎年あるため)「頑張って積立投資を続けよう!」という『インセンティブ』になります。
節税という威力は絶大。
また見える景色が違ってきます。
つみたてNISAは
ファンド売却時の「非課税」を約束してくれています。
一例ですが、
つみたてNISAで2030年に↑入れた40万円の、20年の非課税期間の満了は2049年末です。
将来、売却益に対する「税率」がどのように変化しても「利益」に対して非課税が約束されている点なのです。
仮に有価証券の譲渡益に対する税率が30%、35%になっていても、非課税が約束されている。
このメリットは絶大だと思います。
これこそ、つみたてNISAの優れている点なのです。
(2049年時点で売却益に対する「税率」が今と同じだとは、私には思えません。)
この、日本の財政上の『不安感』は
実はiDeCoにも影響すると考えます。
今と同じ「退職所得控除」や「公的年金等控除」の大きさが、自身のiDeCo『受取り時』に存在するとは思わないほうがよいでしょう。
控除の大きさが小さくなれば、
それだけ課税対象の資産額が増えます。
iDeCoは年金制度ですから、受取額そのものが課税対象である。ココ(注意点)を抑えておくことはたいへん重要です。
つまりざっくり申し上げれば、
終わりは(ちょっと)怖い
(でも)終わりは良い良い
ということなのです。
カテゴリ:NISA活用法, 確定拠出年金(iDeCo・企業型)