投資の発想法

投資は瞬間の行いではなく、長い時間の帯を渡っていくことです

2022年4月21日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

(突然ですが、)
松尾芭蕉の俳句は好きですか?

わたしは、
松尾芭蕉は日本が世界に誇る
「ショートショート詩人」だと思っています。

 

ちなみに
わたしがいちばん好きなのは、

 

荒海や 佐渡に横たふ 天の河

 

 

ダイナミックですよね・・。

 

この句が謳う「風景」が
眼前に迫ってくるようです。

 

ただ、いちばん有名な句となると?
おそらく

 

古池や 蛙飛び込む 水の音

 

でしょう。

 

 

 

これは、
まさに刹那の瞬間を捉えた名句。

 

 

では、あなたの投資は?
『刹那の瞬間』ではありません・・。

 

たとえば、今このときに金融商品を「買う」、
あるいはこの瞬間に「売る」という行為は、

投資の本質を指すわけではなく、
単に「手続き」でしかありません・・。

 

 

「売る」とか「買う」を行わない
長い長い【待ち時間】こそが、投資の「本質」なのです。

 

 

円安が進んでファンド価格が今、○○○円になりました!
という刹那はどうでしょう?

含み益が増えていますよ。

 

が、投資においてはあまり意味を成しません。

なぜなら、
投資においては
(早くも)次の日には「次の刹那」がやってくるためです(^^)

 

さて、次にご紹介する句は、
あの「おくのほそ道」の旅の途上で詠まれたもの。

1689年、
芭蕉は江戸を出発してから44日目に、奥州平泉を訪れます。

その際に詠まれたのが・・

 

夏草や 兵どもが 夢の跡

 

 

 

この句は
「古池や・・・」とは違い、
長い時間の経過を詠んでいます。

 

かつて・・
この地は誰かが治め、
人やモノが集まり、大いに栄えたであろう。

 

祭りがあり、争いがあり、
喜怒哀楽、人間のこもごもが
まるで渦のように折り重なっていたのに、

今では「夏草」が生い茂るばかりである・・

 

 

おそらく何十年という時間の帯(おび)を
一挙に提示している名句なのです。

 

あなたの投資も、
わたしも投資も、
このような連綿とした時の連なりにすることが出来ます。もし、あなたが望めば。

 

どうせなら老いた時に、壮大なドラマ仕立てのように、自分の投資を振り返りたいではないですか。

そのときは、刹那の達人として、
自分の投資を、五・七・五の句の中に収めてしまってもよいのですよ。

カテゴリ:投資の発想法

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