確定拠出年金(iDeCo・企業型)

iDeCoの運営主体「国民年金基金連合会」に対する疑問、ギモン

2022年4月6日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

普段私たちは、
「iDeCo(イデコ)どこでやってるの?」という問いに対して、

わたしは楽天証券。
ぼくはマネックス。

みたいな受け答えをします。

しかしこれは正確ではありません。

iDeCo(イデコ)= 個人型確定拠出年金の大元の運営主体は「国民年金基金連合会」です。

 

ぼくもわたしも
国民年金基金連合会さんでiDeCoをやっているわけです。

 

 

それが証拠に
あなたもわたしも
「国民年金基金連合会」に、

・iDeCoへの加入時手数料として
『2829円』を、

・またiDeCoで毎月掛金を拠出するたびに
『105円』を、支払っています。

 

 

 

 

そもそも「国民年金基金連合会」とは、
1991年に設立された団体のこと。

国民年金の2階部分として
『国民年金基金』という制度があるのですが、

全国で運営されている
すべての国民年金基金を統括しているのが、この『国民年金基金連合会』なのです。

 

 

えっ、じゃあ「国民年金基金」って何?

 

あらかじめ約束された利率で
基本、確定年金、終身年金等で受け取るタイプの「公的年金制度」です。
わたしのような
国民年金「第1号被保険者」のみが加入可能な制度なのです。

 

 

 

 

実はこの国民年金基金、
世の中の『低金利化』が進み、
予定利率の変更を余儀なくされて、加入者が伸び悩んでいます。

もちろん基金の主旨は
しっかりした理念に裏打ちされています。

 

が、しかし、

『国民年金基金』はそもそも
加入者に利率を約して、
加入者のために運用管理を行う「固定金利型」の制度設計です。

 

 

いっぽうの『iDeCo』(イデコ)は?

 

加入者自身が金融商品をチョイスして、
加入者自身が「運用責任」を負う制度です。

中身がまったく違いますね・・。

 

 

 

 

このように異なるふたつの制度を
ひとつの団体(連合会)が管理するのが
果たして効率的なのかどうか甚だ疑問です。

(あなたはどう思われますか?)

 

加えてiDeCoという制度は
第1号被保険者だけでなく、

サラリーマン、公務員といった第2号被保険者、また第3号被保険者も『加入対象者』になっています。

iDeCoという制度そのものを『国民年金基金連合会』だけで管理するのが本当に理に適っているのでしょうか?

 

 

 

 

それに(あくまで)
「国民年金基金・連合会」ですから、

ここでのメインのお仕事は、
国民年金基金の運営であるわけです(以下、連合会の組織図です)

 

 

 

画像元:国民年金基金連合会

上図では確定拠出年金のお仕事は「一部署」となっています。

 

 

わたしは、
iDeCoという制度の業務執行の中身を想像すると、

たとえば、
iDeCoの『掛金』を変更する際に

窓口となっている金融機関に
「加入者掛金額変更届」という書類を提出する必要があるのですが、
これ一つを取っても、

『昭和の書類主義』といいますか、
大いなるムダ、非効率性が
連合会の内部で温存されているのでは?という疑念を抱いてしまいます。

 

 

特に、
冒頭述べたiDeCoの手数料について。

 

加入時に『2829円』を、
また掛金を拠出するたびに『105円』を、
国民年金基金連合会に
支払うことになっていますが、
今年の10月から企業型DC加入者にiDeCoが開放され、
iDeCoの加入者が中期的に今の2倍、3倍に増えてくれば、
上記『手数料』は安くなったりする?

 

(どうもそんな雰囲気ではなさそうな・・)

 

 

 

特に『105円』のコストについては、
口座管理手数料の中の
連合会に支払う『事務手数料』という名目ですが、

 

わたしなどは
金融商品の購入時手数料に限りなく近い感覚を覚えます。

※注:預金商品、年金商品を選んでも「105円」のコスト負担は変わりません。

 

 

加入時の『2829円』
そして事務手数料の『105円』という金額の根拠は、一体どこから来ているのでしょうか・・?

 

※ 因みにつみたてNISAでは
上記のような初期手数料、けいぞく手数料は特にかかりません。

 

 

 

 

もしも「国民年金基金連合会」を
官僚的で非効率な状態に維持しようとする古い勢力が存在するならば、

政治的な判断で、
iDeCoの運営主体の『再編、スリム化』が求められるとわたしは思います。

(やがては加入者が1000万人規模にもなり得る制度の運営主体なのです)

 

あのー、

まさか、

まさかなのですが・・、

「国民年金基金」および
「国民年金基金連合会」が
厚労省などの天下り先になっているとか、そんなことありませんよね・・? 

 

今日感じたことをツイッターで呟いたら、思わぬ反響がありました(皆さん、大なり小なり疑念をお持ちなのですね。)

 

カテゴリ:確定拠出年金(iDeCo・企業型)

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