投資の発想法

『モグラ叩きゲーム』で為替リスクを想像してみましょう

2022年3月27日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

たまたま今、
1ドル121円とか122円というふうに「円安」になっています。

たまたま東日本大震災が起こった2011年には、
1ドル78円とか76円という「円高」になりました。

為替リスクの大きさは
通貨間のレートの変動幅の大きさで表されます。

 

今あなたがニッセイ外国株式インデックスファンドを保有しているなら、
当該ファンドは『100%外貨建て株式』なので、

(たとえ株式の価格そのものが変わっていなくても、)

為替レートの変動で
円ベースで見た当該ファンドの価値がけっこう上下するわけです。
(これが為替のリスク)

 

 

 

 

為替リスクは
株価の変動リスクと同じように、
良い側にも、悪い側にも両方で発露します。

円が総じて「円安」に振れれば、
ニッセイ外国株式インデックスファンドの価格は上昇します。
(各株式の価格が変わっていなければ、)

 

逆に円が総じて「円高」に振れれば、
ニッセイ外国株式インデックスファンドの価格は下落します。
(各株式の価格が変わっていなければ、)

が、しかしです。

「円高」になると
すべてが良くないかといえばそうでもなくて、

 

「円高」になれば、
同じ3万円の積立投資でも、
より少ない元手で外貨建ての株式が買えることになります。
(各株式の価格が変わっていなければ、)

 

 

広く世界に投資を行う人は、
それが日本人であれ、フランス人であれ、
エジプト人であれ、マレーシア人であれ、
ニュージーランド人であれ、

誰もが【為替リスク】を負うわけです。
(そうですよね?)

ちょっと深呼吸をして、
世界の人々の「お金の持ちよう」をイメージしてみてください。

 

 

 

 

(あなたのお金を含め)
世界中の『お金』って
必ずどこかの【通貨】で保有されています。

 

たとえばこの世に
『10種類の通貨』しか存在しないと仮定しましょう。

この『10種類の通貨』は毎日、
「人気コンテスト」に出場しているようなものです。

常にどこかの『通貨』が買われ、
常にどこかの『通貨』が売られます。

 

より正確に言うと、
どこかの『通貨』が買われた分、必ずどこかの『通貨』が売られるわけです。

 

たとえば、ウォール・ストリート・ジャーナルの紙面に
【10大通貨、同時暴落!!】という記事が載ったりすることはありません。
逆に、すべての通貨が
上昇してしまうこともありません。
(そもそも)通貨の価値は『相対的』なものなのです。

 

 

あなたが10万円を出して、
ニッセイ外国株式インデックスファンドを買えば、

あなたの10万円は
先進国(地域)の13の通貨に替わって

そこから「各国の株式」を
買い付けることになります。

 

その時ちょうどあなたの友人が
東急百貨店の屋上で、

13のモグラが出たり入ったりする
【モグラ叩きゲーム】に夢中になっていました。

 

 

 

<さあ、どこのモグラ(通貨)が強くなるんだろうね?>

 

13種類の【通貨の顔】をした、
13匹のモグラが盤面に並んでおり、

ひとつひとつの
通貨の動きに注目すると、

○ ある通貨は地面から顔を出し(価値が上がり)、
○ ある通貨は穴の中に隠れます(価値が下がる)。

 

それが不規則に、
かつ連続的に起こっているのが、
『通貨』という名のマーケットなのです。

 

不規則にモグラが顔を出したり、
穴の中に隠れたりする一連の動きは、

『変動相場制』が続く限り永続します・・。

 

 

目先の金利が高いからといって、
『豪ドルの顔』をした
モグラだけを保有し続けるのは果たして健全でしょうか。

今『米ドル』が強いからといって
『米ドルの顔』をしたモグラだけを保有し続けますか?

 

 

 

 

逆に「これだと為替リスクがないよね」
ということで、

資産のほとんどを『円建て』で持って
果たして健全といえるのか・・。

 

ここはいっそ【発想の転換】をして、

 

「あのさ、
長―い目で見れば、
モグラ叩きゲームの
【もぐら全部 = 盤面全部持っちゃった】ほうがかえって安全なのでは?
と『思考』してみるのです。

 

 

なるだけ多くの通貨を
なるだけ広範囲に持つほど、
かえって『為替リスク』に対して中立的になれる・・

 

なんだか「灯台下暗し」みたいな話ですが、
実際そうなのです。

 

 

それに為替のリスクが(本当に)発露するのは、
あなたがその投資信託を【解約するとき】です。

 

それは・・2040年くらい?
2048年くらい?

 

仮に2040年にあなたが60歳になって、
1800万円相当の外国株式インデックスファンドを果たして一度に売りますか?

NOですよね。

多分、2040年から10年とか15年をかけて、
コツコツ少しずつ解約して『生活費の足し』にしていくのでは?

 

つまり
長い時間をかけて、
少しずつファンドを取り崩していく道程で、

途中円高傾向になったり、円安傾向になったり、
どっちつかずだったり、
さまざまな『場面』を経験すると思いませんか?

 

 

 

 

解約に際して『時間の分散』を施すことで
為替状況の「多様化」が促されるわけです・・。

為替のリスクを
過度に恐れる必要はありません。

時々は『モグラ叩きゲーム』のことを思い出してみてください(^^)

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