「運用管理費用」ということばを探して・・
2022年3月25日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
愚者小路さんのこちらのブログを拝見して、
「なるほど~」と思いました。
『投資信託の『受益者』って言葉は一側面しか語っていない説。を400字で。』
ファンド保有者のことを
専門用語的には『受益者』と呼びます。
愚者小路さんによると、
2.「受益権」を持つ人が『受益者』
となるのだそう。
理屈的には分からなくはないのですが、
日本語としてストレートに見た場合、
『受益者』は、
利益を受ける者と解釈してしまいますよね。
ここで、
いやいや、益も受けるけど、損も受けるから。
という「ツッコミ」が入ります。
<じゃあ、受損益者じゃねぇ?>
まあこれはこれで収まりが悪いので、わたしは単に「ファンド保有者」「ホルダー」と呼びます。
あとファンドの値段も、
正式には『基準価額』といいますが、
わたしは努めて(確信犯的に)『基準価格』と書きます。
消費者にとって
日本語的に見た場合に、ファンドの価格 → 基準価格と分かりやすいためです。
投資信託の純資産総額を「総口数」で割って、1万を掛けたもの。
『一万口あたりの価格』のことを基準価格という。
というふうに法律でも書き改めたほうがよいと思っています。
(※ちなみに日経新聞は『基準価格』という書き方で統一している模様)
投資信託の本質がより理解しやすくなって、ファンド普及の後押しになる。
これは私見ですが、
権威主義的(かつ)形式主義的なオーラが、色濃く残っているのです。
もうひとつ挙げますと、
私たちが投資信託を持っている限り
けいぞく的に徴収されるコストがありますね。
「運用管理費用」(%)です。
この手数料のことを、
いまだに『信託報酬』と権威側は呼んでいます。
いや、報酬じゃないって。費用だよ。
三菱UFJ国際投信の「Slim オール・カントリー」の手数料のところでも、
左側では運用管理費用と謳っているのに
表の中ではやっぱり
『信託報酬率』になってしまっている・・
モーニングスターも、
『信託報酬率』。
金融庁も・・
『信託報酬』。
(上記はつみたてNISA対象商品の説明)
いや、報酬じゃないよ、費用だよ(^^)
ことばを記している大元が、
半ば無自覚に
この言葉を使い続けているところに、逆に病理の深さを感じてしまいます。
私たちにとっては、
ファンドを持ち続けた場合にかかるコストは
「運用管理費用」なのです。
どうかお忘れなく・・。
カテゴリ:投資信託あれこれ