投資の発想法

株式の基本生態とは? ランダム・ウォーク(酔歩)すること

2022年3月18日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

ランダム・ウォーク。

金融商品全般に当てはまりますが、
特に「株式の値動き」についてよく用いられます。

昨日の株価の変動と、
今日の株価の変動は、繋がっているわけではなく、
ほんとうは「一切関係がありません。」

 

それぞれが独立して
それぞれが懸命に動いているだけ。

 

マーケットとは
その瞬間、瞬間を生きているのです。
株価の変動に規則性など存在しません。

 

 

 

 

 

毎年毎年の株価変動もそうです。

今年の株価の値動きと
来年の株価の動きは「別物」であり、関連性はありません。

 

今年の市場の動きを見て、
「来年の株価はこうなるだろう・・」という予測には(そもそも)意味がないわけです。

 

それがランダム・ウォーク理論と呼ばれるものです。

 

もちろん、
市場の平均点を現出する株価指数でも、

毎年、毎年の値動き(損益)は
ランダム・ウォークします。

ウェブ上の英和辞書で
「random walk」(ランダムウォーク)と引くと、

 

 

 

酔歩(すいほ)と出てきます。

 

酔って歩くさま。

要は、酔っ払いの千鳥足です(笑)

 

 

酔っ払いが歩くさまは、
何の脈絡もなく
不規則で、
乱れていますねw
まさにランダム・ウォーク。

 

 

以下は、米国の株価指数(S&P500)の
毎年毎年の『損益』を棒グラフ化したものです
(1928年から2022年途中まで)

 

 

 

画像元:macrotrends

マイナスの年よりも
プラスの年のほうが多いのはすぐに分かりますね。

 

それでも、
毎年毎年の損益と
その大きさは見事にバラバラ。

たとえば1960年から1970年代前半にかけては、
マイナスの年が(他の期間に比べると)多いことが分かります。

これは・・?

特徴です。

 

わたしは今「特徴」と言いましたが、

これって市場のアットランダムな値動きを
人間が「後解釈」しているわけで・・。

 

マーケットと
上場する企業の株価は、瞬間・瞬間を生きているだけ。
ああだこうだと軌跡やその傾向(トレンド)を読み取ろうとするのは、人間の『癖』に過ぎません。

 

 

私たちが株式市場と付き合うのが、どうして難しいのでしょうか。

それは、
市場が本能のまま生きているだけなのに対して、

人間はそこに意味合いを感じ取ろうとし、
自ら創り上げたイメージに囚われて、それに基づいて行動してしまい、時々(しょっちゅう)間違いを犯してしまう・・

そこが難しいのでしょうね。

 

よく言うじゃないですか。

 

『米国の株価はFRBによる5月の利上げをすでに織り込んでいる』とか。

 

織り込んでいる?

 

 

 

 

短期的には
人間が読む傾向や流れに、

沿うような動きを(市場は)見せてくれるかもしれませんが、

中長期的には、
市場はその自律運動に従ってただ『動く』だけなのです。

~けっして忖度はしません。~

 

分かっているようで、
実は分かり切ることは出来ない、

それがマーケット(市場)というところなのです(^^)

 

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