お金の摩訶不思議, リタイアメント・資産の取り崩し

お金を使わずに、お金を持つだけの『お金持ち』になってしまわない2つの方法

2022年3月15日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

ひとつのことに長けると、
別のことが疎かになる。

人は元来、不器用な生き物です。

仕事柄、お金を増やすのに熱心な人に出会います。
それをお手伝いするのがわたしの仕事でもあります。

 

投資に邁進するお気持ちを
後ろから押して差し上げて、

たとえば7年後とか8年後にオンライン上で再会し、
お客様のご資産が増えていれば、
こちらも口元がほころんで嬉しくなりますw

 

 

 

 

が、中には
資産を増やすことが目的化してしまう人もいます。

資産の『数字』のみを追いかけ、投資が手段ではなくなると、リタイアを挟んで暮らしの「方向転換」がしにくくなってしまいます。

 

誤解を恐れずに申し上げましょう。

 

お金を増やすマインドセットにとらわれているそのご様子は、(まるで)お金を使うのを恐れているように見えるのです。

 

 

 

 

 

お金を増やすほうは普遍的な方法論があります。
私たちは基本、それを踏襲すればよいわけです。
ところが(投資信託を解約して)そのお金を使っていく行為は、たいへん個別、個性的な行いです。

 

これという「正解」がありません。
「不正解」もありません。

 

 

リスク資産を解約する、
「お金を使う」に向き合うことを恐れて、

無理やりお金を増やすほうに注力されているのでは?と思うこともあります。

 

 

万が一にも
お金を使わずに、お金を持つだけの、
文字通りの『お金持ち』になってしまえば、それは寂しいことだと思いませんか?

 

 

 

 

55歳~60歳くらいになれば、
『お金持ち』で終わってしまうリスクを
ちょっと頭の隅で意識し始めたほうが良さそうです。

できれば、
リタイアを予定している「年」から逆算して、
ラスト5年間くらいを『準備期間』に充てましょう。

やがて来る
「お金を取り崩し、お金を使う暮らし」慣れるために、です。

 

 

その1)
リタイア前の5年間で
自分の投資信託を解約する「練習」をしてみましょう。

 

少なくとも10万円以上、
できれば40万、50万円くらい、
具体的なモノ、コトの購入のためにファンドを売却するのです。 

(預金からお金を出して買えるのを、わざと投資信託を売って用立てるわけです。)

 

なかば冗談と取られる人もいるでしょうが、
わたしは真剣です(笑)

ほとんど未経験の「リスク資産を売る」を実際やってみると、お金を増やす「マインドセット」がほどよく緩んだりします。
何事も「慣れておく」のは重要なこと・・。

 

 

 

 

その2)
リタイア前の5年間で
リスク資産の中身を「スリム化」させましょう。

 

複数(多数)のファンドを持っているのは、ある意味あなたの『誇り』です。

投資の前半(積立期)は太陽のもと揚々と暮らし、
経験を積んでトライ&エラーする、アグレッシブな期間でありますから。

保有する金融商品の数が増えるのも半ばOKな面があるわけです。

 

 

ところが投資の後半(取り崩し期)を睨めばどうでしょう?

 

わたしもあなたも、
加齢とともに思考のリズムは緩やかになります。

リタイア後、いざ取り崩しが始まった際に、
これまで持ち続けてきた国・地域も、スタイルも異なるさまざまな5本、10本の投資信託を、どの順番で取り崩していきますか?

 

リスク資産内でリ・バランスをこなしながら、10本なら10本のファンドを果たして上手く売っていけるでしょうか? 

うまく解約できなければ、うまく(お金を)使いようがありません・・。

 

 

わたしは上記準備期間(5年)の中で、
リスク資産を1本のファンドに集約することをお勧めします。

 

マネーの断捨離です。

 

 

 

 

最初はちょっと寂しいかもしれませんが、

 

リターンの数字より、より深い分散(リスクコントロール)に重きを置き、また資産配分を他者(運用会社)に委ねることで、気持ちがずいぶん楽になるはずです。

 

 

資産の中身をシンプル化出来れば、資産管理に余計なエネルギーを用いません。
その分投資信託を取り崩し、お金を使っていく事に意識を集中できます。← ココ、重要!

 

投資信託を解約し、
そのお金と向き合うことは、
あなた自身を深く知ることにつながります。

 

リタイア前の5年間で、
もしかすると仕事や家庭やプライベートの断捨離を行うかもしれません。

それと同様にお金の整理整頓も進めましょう。
やがてくる「暮らしの大変身」に備えてあなたも『変身』するのです。

 

カテゴリ:お金の摩訶不思議, リタイアメント・資産の取り崩し

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