確定拠出年金(iDeCo・企業型)

iDeCoに加入している足立さん。この4月から企業型DCが始まればそちらに資産移換すべき?

2022年2月27日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

確定拠出年金についていただいたお問い合わせを、
ご本人の了解を得てあなたとシェアしたいと思います。

もう、5年近くiDeCo(イデコ)に加入している足立さん(仮名)

 


実はお勤めの会社で

この4月から確定拠出年金が導入されるのだそう。
これは企業型の確定拠出年金(企業型DC)です。

 

今の情報だと、
足立さんの会社はiDeCoとの併用が出来ないようで、
iDeCoの資産を企業型DCに「移換」することを検討しているのだとか。

 

でも、です。

あなたもご存じの通り、本年はイデコ【大改正】の年。

 

この10月には原則、
すべての企業型DC加入者が、iDeCoにも加入できるようになります。

 

足立さんが加入する楽天証券のiDeCoは
カスタマーサービスもしっかりしており、
商品ラインナップも(一般の企業型DCのそれに比べると)優れています。

ただ、企業型DCのほうは
諸々の『口座維持コスト』を会社がすべて負担してくれます。
(iDeCoのように月171円の自己負担はないわけです)

 

・・・ここからわたくしの想像が入ります。・・・

 

 

 

仮に、商品ラインナップの質、
投資信託の運用管理費用の低さなどで、

楽天証券のiDeCoが(企業型DCを)上回るなら、

 

わたしはこれまでの運用資産はiDeCo内に温存したほうがよいと思います。

 

 

足立さんの場合、
企業型DCに加入すれば
iDeCoでの拠出は出来なくなりますが、

 

楽天iDeCoに「加入者資格喪失届」を出し、
iDeCoでの積立自体は休止して
「運用指図者」となることは可能です。
そして今年の10月を待って
iDeCoに「加入者申出書」を提出し、
再び掛金の拠出者となる手があります。

 

(いっぽう企業型DCのほうは、この4月から粛々と積立を続けるわけです)

 

 

 

以下もわたくしの推測ですが、

足立さんがこれまで月2.3万円の掛金を
iDeCoで拠出していたとすると、

―仮に企業型DCの掛金が月1万円、
DB(確定給付型の年金)は「なし」としましょう―

 

企業型DC、
iDeCo併用が可能になる今年の10月以降、

足立さんがiDeCoに拠出できる掛金の限度額は
『月2万円』となります。

(※ただし、足立さんの企業型DC内でのマッチング拠出は「ない」という前提です)

 

若干掛金の限度額は低くなりますが、
それでもiDeCo(イデコ)での『運用資産』を温存し、

iDeCoでの運用を、
確定拠出年金運用の「メイン」に据えるべきと考えます。

 

 

そのこころは?
この先【転職する】可能性があるからです。

 

 

 

企業型DCに依存してしまうと、
あなたが転職する際、

その転職先の会社も『企業型DC』があるとすれば、←この可能性は年々高くなっています

 

現在のA会社の『企業型DC』と、
転職先のC会社の『企業型DC』は「別物」であるため、

 

一度現金化して、
まったく異なる商品ラインナップの中から選んで、またファンドを買い直さなければなりません。

 

 

要は、
運用の一貫性が・保ちづらくなるわけです。

 

iDeCo(イデコ)が優れているのは、
転職や離職などに関係なく、
「あなた」という人に帰属する制度である点でしょう。

 

特に本年10月以降は、
あなたが世の中的にどんなご身分であろうと、

同じ投資信託で
積立を続けることが可能になります。

つまり?

 

「運用の一貫性が保ちやすいのです。」

 

 

 

 

最後に今年の10月以降は
いよいよ窓口4ヵ所時代を迎えます。

??

 

同じインデックスファンドの積立でも、
つみたてNISA、企業型DC、iDeCo、特定口座というふうに、
その入り口(窓口)が4ヵ所になり得るということ。

 

このような時代には
バランスファンドのメリットが再確認されると思います。

4つの窓口で
同じ資産配分のバランスファンドで揃えてあげれば、
資産管理、出口戦略がとってもシンプルになるためです。

カテゴリ:確定拠出年金(iDeCo・企業型)

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