新興国株式インデックスファンドの中に「ロシア株」は何%組み入れられているのか?
2022年2月25日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
私はいかなる理由があろうとも、
武力で他国を侵攻することには断固抗議します。
上記は想像を絶する愚行であり、
下手をすると総じて平和を守ってきた世界が、
権威主義的な勢力(軍事侵攻も厭わない)に席巻される恐れがあると感じています・・。
が、今このブログ記事では・・・
生命の危険に晒されているウクライナの人々に
心情的に寄り添うことなしに、
冷めた目で『数字』のみを語ることを、何卒ご了解ください。。
結論から言えば、
新興国株式インデックスファンドの具体例
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』の中で
ロシア株式が占める割合は
たった2.8%です(1月31日現在の「月報」より)
(ちなみにケイマン諸島は中国株式です)
新興国株式インデックスファンドが連動を目指す
「MSCIエマージングマーケット指数」が組み入れる新興国の株式(銘柄数)そのものは変わりませんから、
同指数に占めるロシア株式の割合が下がることになれば、
これが、保有する国・地域を徹底分散させたインデックスファンドを持つ『意味』なのです。
実際、ロシア株式は『暴落』しています。
今朝の日経電子版です。
『ロシア株39%下げ、6年ぶり安値 制裁懸念の売り殺到』
24日のモスクワ市場でロシア株式相場は急落した。主要株価指数のRTSは前営業日の22日比で483.78ポイント(39.4%)安い742.91と、2016年2月24日以来6年ぶりの安値水準で終えた。ロシアがウクライナへの大規模な軍事侵攻を開始し、欧米諸国による経済制裁の影響を懸念した売りが殺到した。
私たちは上記事実を
胸に刻んでおく必要があるでしょう。
それは「カントリーリスク」の発生です。
非常時には
たった一日で、
一国の株価指数が39%下がることは「あるのだ」という事実。
画像元:日本経済新聞
あなたがもし「ロシア株式ファンド」などに投資をしていれば、
その損失は甚大になっていることでしょう。
以下、ActiveIndexさんのツイートです。
東欧ファンドもあったわ。20本か。 pic.twitter.com/1uNqEq8oa0
— ActiveIndex (@ActiveIndex) February 24, 2022
上記図表では、
ロシア株式ファンド、ロシア債券ファンド、
2003年位から2007年にかけて全盛を極めたBRICsのファンド、
また東欧(含むロシア)ファンドも含め、
計20本の投資信託情報をUPしてくださっています。
例えば、わたしはHSBCロシア オープンが、何か特別なリリースを出していないかどうか調べました。
すると、基準価額が5%以上下がったら出される「お知らせ」(2月22日)という名のリリースが出されていただけでした。こちらです。
このお知らせと、
「ひふみ投信」運用責任者からのメッセージ(2月24日)というリリースを読み比べてみてください。
誰のほうを向いて仕事をしているかが分かります。
(ちなみにHSBCロシア オープンは「ロシア株」のみを運用するファンドで、
ひふみ投信は主に日本の成長株に投資するファンドです・・)
もちろんこのような動きも出てきています。
日経新聞(2月25日)
『三菱UFJ国際やカレラ、ロシア投信売買停止 制裁発動で』
〇 関連記事です。
『戦争になる → 株価暴落ではありません』
カテゴリ:インデックス投資全般, 投資信託あれこれ