ポートフォリオ運用, リタイアメント・資産の取り崩し

じいじはどうして、 日本株式ファンド20% 先進国株式ファンド60% 新興国株式ファンド20%というカタチでわたしに遺したの?

2022年2月18日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

個人の資産管理には
「終了期」なるものがあると思っています。

イメージすると、
(資産の)積立期 → 取り崩し期 → 終了期 です。

 

今のところヒトの死亡率は100%ですから、

 

自分が死ぬ前に
自分の資産について整理整頓をし、
「どんなカタチで資産を残すのか?」という最終準備をする。
それが『終了期』のイメージです。

 

 

 

 

 

別に預貯金100%でもいいですし、
親の代から受け継いだ土地を(そのまま)残すのもいいですし、

ナスダック100の投資信託が半分、
任天堂の株式が半分でもよいわけです。

もちろん、
日本株式ファンド+先進国株式ファンド+新興国株式ファンドの組み合せでもOKです。

 

 

「どんなカタチで自分の資産を最終残すのか?」は、
あなたがあなたの裁量で決められます。

 

たとえば92歳で大往生を間近に控え、

んー、どんな形で資産を残すかなんて、別にどうてもいいよ。
残った資産はいわば『残骸』で、そんなの気にしてもしょうがないし。

と達観しているとしましょう。

 

 

 

 

ハイ、
それはそれで、個人的には大いに共感いたします。

資産は所詮生きるための道具ですから、
自分が死ねばもう道具としての役割も終わり。

これもきれいさっぱりとした考え方でしょう。

 

ところで、
話は急に飛びますが・・(^^)

『パテック・フィリップ』というスイスの高級時計メーカーがあります。

 

 

 

(わたしはトンとご縁がないのですが・・)

確か以前こんなキャッチコピーがありました。

 

気持ちを刻み込んで、その時計は受け継がれる。

 

気持ちを刻み込む?

 

ハイ。

もしかすると、なのですが、

「どんなカタチで自分の資産を残すか?」

その決定において、
次の世代へ、気持ち(メッセージ)を刻むことが出来るかもしれません。

 

 

ちょっと資産を受け継ぐ側になってみましょう。

ズバリ伺いますが、

 

あなたは、
 預貯金6000万円 と、
 日本株式ファンド20%+先進国株式ファンド60%+新興国株式ファンド20%の組み合せである400万円の財産と、
どちらに「魅力」を感じますか?

 

 

「カンさん。Aに決まってるじゃん。」

あっ、そうですね(笑)

 

でも、
6000万円もキャッシュで引き継いでしまうと、人生緩んでしまうかもしれませんよ。

 

 

 

 

糸が切れた凧みたいに、
自分という『軸』があやふやになって、

「お金をもらうことで(逆に)お金に苦労する・・」というパラドックス発生の可能性があります。

 

資産の量でいえば400万円のみですが、

日本株式ファンド20%
先進国株式ファンド60%
新興国株式ファンド20%という組み合わせ(ポートフォリオ)には、何かしら『意思』のようなものを感じませんか?

 

わざわざこのカタチで
あなたに資産を遺した、
ご本人の意図とは・・?

 

 

子供さんでも
お孫さんの心境でも構わないのですが、

仮に投資の「と」の字も知らず、思いがけず『相続』と遭遇し、

日本株式ファンド20%
先進国株式ファンド60%
新興国株式ファンド20% というような、

??と感じてしまう投資資産の組み合わせ400万円分が、

 

自分の名義となって、この形(カタチ)そのものが目の前に存在し、

「何なの、これ?」という戸惑いと悩みの対象に・・?

 

 

その戸惑いの姿も含めて、
おそらくその資産を遺した人の『たくらみ』なのです。

 

親切な被相続人なら、
遺言書の中できちんと「メッセージ(文章)」を遺してくれていることでしょう。

 

(遺す人へ・・。遺す投資信託については、
出来るだけ長く持ち続けたモノがよいでしょう。)

 

実はこの、
資産運用の最後のさいごの作業こそが、

ちょっとした投資教育なのかもしれません。

 

「じいじはどうして、
日本株式ファンド20%
先進国株式ファンド60%
新興国株式ファンド20%というようなカタチでわたしに遺したの?」

 


やっぱり「たくらみ」なのです。

 

「ポートフォリオ」にはふたつの意味があります。

・ひとつは自身が資産を育てる設計図。

・もうひとつは、次世代に遺す最後の手紙。

『遺産とは、量が大切なのではなく、そのカタチが重要なのだと思います。』

 

カテゴリ:ポートフォリオ運用, リタイアメント・資産の取り崩し

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