iDeCoとつみたてNISAでは制度としての『恒久度』が違います
2022年2月8日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
タイトルの通りです(^^)
iDeCoにしろ
企業型DCにしろ、
その骨格は「確定拠出年金法」によって定められています。
たとえば
iDeCoの詳細欄に、
そんな文言はどこにも書かれていません。
つまり確定拠出年金の制度は
(そもそも)『恒久化』されているわけです。
いっぽう、
世の中には「NISA法」という名の法律はありません。
例えばつみたてNISAの改正は、
『税制改正』という大きな枠組みの中の、
たった1本のか細い糸であります。
日本の税制の改正は、
自民党税制調査会 → 与党税制改正大綱 →(大綱の内容が)税制改正関連法案に反映され → 法案が可決成立。という流れを辿ります。
前回のつみたてNISA改正もそうですが、
何十とあるさまざまな『税制改正』の、
たった1本の糸がつみたてNISAですから、
制度の内容が良い方向に改まっても、
なかなかドラスティックな変化は期待できず、
どうしても「小出しの改正」になってしまいます。
たとえば、
今年生まれた赤ちゃんにとって、
2022年 2040年
ゼロ歳 → 18歳
つみたてNISAが
長く使える税制優遇の『窓口』となっているかどうかは、神のみぞ知るです。
なぜなら、現行では
つみたてNISAにお金を入れられる最終年は
『2042年』だからです。
でも、
iDeCo、企業型DCなら制度として存続していて、
今年生まれた赤ちゃんも高い確率で利用できると考えられます。
旬な制度かもしれませんが、
確定拠出年金(iDeCo、企業型DC)に比べると『恒久度』に欠けるのです。
別の視点になりますが、
長く積立投資を続けるインセンティブの面でも、
例えばiDeCoは所得控除というメリットが毎年あるため、
運用成績が振るわない年でも
「なんとか頑張って積立投資を続けよう!」と自身を動機づけしやすいです。
(それに対して)
つみたてNISAのメリット(利益に対して非課税)は、
果てしなく続く長い積立投資の、
最後の最後にやってくる『ごほうび』となります。
(けっこうな忍耐力が要求されるわけです。)
わたしはつみたてNISAの恒久化の可能性はある。
そう思っています。
ただ、それは政治の駆け引きの中での「一結果」としてあり得ると見ています。
具体的には、
株式・投資信託等の譲渡益課税、こちらの『税率』を上げる代わりに(税制優遇の)つみたてNISAについてはその制度を『恒久化』するという、何やら交換条件的な施策としてです。
「頑張れ、つみたてNISA!」 君はまだまだ発展途上なのだ。
カテゴリ:NISA活用法, 確定拠出年金(iDeCo・企業型)