確定拠出年金『運用中』に亡くなったら、一体どうなるの?
2022年2月3日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
先日のカウンセリングで以下のような質問をいただきました。
iDeCo(イデコ)で運用中にわたしが死んじゃったら、
運用している資産はどうなってしまうのですか?
ハイ、
これは同じ『確定拠出年金』の枠組みで、
企業型DCで運用中にわたしが死んじゃったら、
資産はどうなってしまうのですか?
と同じ主旨の質問になります。
結論から言いますと、
あなたが万一亡くなってしまうと、
確定拠出年金内の資産は
遺族の方に『死亡一時金』として支払われます。
仮に運用中ではなく、
あなたが確定拠出年金を『年金形式』で受給している最中だったとしても、
残存金額を
遺族の方が『死亡一時金』として受け取ります。
細かい話で恐縮ですが、
たとえば
ニッセイ外国株式インデックスファンド(100%)をiDeCoで運用中に死去した場合、
所定のファンドの売却日(←これは遺族の側で指定できません)の『時価』となります。
また、意外と知られていないのですが、
確定拠出年金では
死亡一時金の『受取人』を事前に指定しておくことが可能です。
具体的には配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の中から受取人を指定します(配偶者には内縁、事実婚等を含みます)
上記はイメージとして、生命保険の『死亡保険金受取人』を指定するのに近いのではないでしょうか。
ここから『注意点』となります。
確定拠出年金は「年金制度」ですから、
死亡一時金は待っていれば入ってくるというものではありません。
請求することが必要です。
iDeCoを例に挙げれば、
iDeCo口座を開いている金融機関から「裁定請求書」を取り寄せ、必要書類を準備します。
では、
確定拠出年金の『死亡一時金』は
自動的に「相続財産」となるのでしょうか?
NO、です。
(実は)みなし相続財産となります。
「500万円×法定相続人の人数」の非課税枠があります。
勤めていた会社から支給される『死亡退職金』を併せた金額が、上記非課税枠を超えなければ課税されることはありません。
ただし、相続開始から3年を経過してしまうと、上記非課税枠は使えなくなってしまいます(早めの請求が肝要)。そして相続開始から5年経過すると『相続財産』として遺産分割の対象となります。
iDeCoや企業型DCにおいて、
あなたの仕事は
積立投資で資産を増やすこと。
ただし万一のことがあった場合は、
みなし相続財産として非課税枠が利用できるので、
今のうちから『死亡一時金受取人指定書』を取り寄せ、受取人を指定されていたほうが良いと思います。
(繰り返しですが、生命保険の
死亡保険金受取人を指定するイメージに近いのです)
一例ですが、楽天証券iDeCoでは
次のように手続き情報を開示してくれています。
画像元:楽天証券「【iDeCo】加入者が死亡した場合、誰が死亡一時金を受け取れますか?」
受取人を指定していないと、
受取の順位が民法上の法定相続人の順位ではなく、
確定拠出年金法が定める『優先順位』となるため、諸々の手続きが煩雑になってしまいます。
あっ、今日のお話は一時金であれ年金形式であれ、
あなたが確定拠出年金の資産をすべて受け取っていれば、まったく意味のないトピックなのですよ(笑)
ただ、仮に確定拠出年金を「遅く・長く」受け取るような場合、
たとえば「15年年金形式(70歳~85歳)」で受給・・というように、遅く受取りを始めるのでそれだけ資産が大きく育っており、
あなたが亡くなられてしまう「可能性」もなくはないと思うのです・・。
ですので今日のお話は重要と思った次第です。
カテゴリ:確定拠出年金(iDeCo・企業型)