ポートフォリオ運用

定期的にリ・バランスを行っている個人投資家は半数程度に過ぎない!?(WSJの記事より)

2022年2月2日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

ウォール・ストリート・ジャーナルの記事
Older Investors Have a Lot of Money in Stocks. How to Check if It’s Too Much.』を興味深く読みました。

意訳すると・・

 

シニア投資家、多額のお金を株式で保有。
過剰なリスクになっていないかどうかの判断法は?

 

 

 

 

例えばフィデリティインベストメントの
2040万人の401(k)プラン加入者のデータを見ると、

60歳から69歳の約40%の加入者が、
資産ポートフォリオの67%、
あるいはそれ以上を『株式』で保有しているとのこと。

 

・・けっこうリスク取っていますね。

また、バンガード社によると、
定期的にリ・バランスを行っている個人投資家は半数程度に過ぎないのだそう。

 

つまり?

 

アメリカ人→401(k)プラン等を通じて長年投資
→米国株式好調→「株式」比率上昇
→リ・バランスしない→益々「株式」比率上昇・・

 

という構図なのでは?

 

 

 

 

今年62歳になる人は1960年生まれです。
30歳になったのは?

ちょうど1990年。

当時のアメリカ「ダウ平均」は2600ドル程度ですから、
長期投資を続けていれば、
株式の比率がどんどん大きくなるのも頷けます。

 

まだまだ株式市場が好調だからよいものの、

・いつ大きな調整が訪れるか分かりません。
・何よりあなた(投資家)自身が年を重ねています。

 

「何より、あなた自身が年を重ねているのです。」

 

ん?

これがいちばん分かりづらい?

 

 

 

一般に年を重ねるごとに
「リスクに対する耐性」は落ちていきます。

 

まだまだ、大丈夫。
株式市場も好調だし・・。

 

と呟いて、
高い株式の割合を正当化しているあなたは、

まだ52歳くらい、
いや40代くらいの『気持ち』でおられるのでは?

・・実際は62歳なのに。・・

 

冷徹な目で見れば、
年を重ねるとまず体の衰えが見え始めます。
思考のリズムも(本人が気付かないうちに)緩やかになってきます。

変化に対する『感応度』も若い頃とは違ってきます。

 

再びWSJの記事に戻ってみましょう。

ファイナンシャルアドバイザーのバーンスタインさんのアドバイス。

おおむねこういう主旨です。

 

株式が暴落してその価値を半分失ったと想定してみてください。
100万ドルの資産のうち60%(60万ドル)を株式で保有していて、
それが『マイナス50%』になると30万ドルに・・。
(元本確保型の資産40万ドルと合わせても70万ドルになってしまいます。)
もしもこんなことが起こったら、どう感じるかと想像してみましょう。
そして、果たして今の株式比率が自分にふさわしいかどうかを熟考してみるのです。

 

 

 

 

ハイ。

実際、年を重ねれば重ねるほど、
上記のような事態(暴落)に遭遇した場合に
元本を回復するまで果たして待てるのか、いや、間に合うのでしょうか?

何が?

 

あなたの人生時間が、です。

 

 

逆説的なのですが、

 

市場に長くお金(リスク資産)を置き続けるためには、
何よりリスクをコントロールすることが重要。

 

(リ・バランスとは、自ら簡単に実践できるリスクコントロール手段なのです。)

 

 

 

このブログでは再三申し上げていますが・・

 

〇 まずは安全資産:リスク資産の割合を『規定』しましょう
〇 その割合に比べてリスク資産が多すぎる場合はバッサリ売却しましょう
〇 来年以降、規定した安全資産:リスク資産の『割合』からズレていれば、
「決まった月」に「リ・バランス」を実施しましょう

 

バーンスタインさんも記事内でおっしゃっています。

 

定期的にリ・バランスを行うことは、
ほとんどの人にとって理に適っています。
1年以上待つと、ポートフォリオが目標配分から大きく離れる危険性があるためです。

 

 

最後の「おまけ」。


岡山県倉敷市にはこんな証券会社があります。

 



(美観地区内)

 

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