投資の発想法, 投資家の感情リスク

最初から100点を狙わなくてよいのです(ゆっくり成長していく、あなたも資産も)

2022年1月12日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。 

あなたのお仕事でちょっと想像してみてください。

あなたは『この道』7年、8年の中堅です。

 

年末に「新たなプロジェクト」が立ち上がりましたが、
その成果が出るのは(だいたい)半年後ぐらいで、

その間『プロセス』の途上では
最低2、3回は侃々諤々の議論が起こり、

右に左に大いに揺さぶられるだろうと、
「経験上」あなたはだいたい分かっています。

 

 

 

精通している事柄ほど、
人はその最終結果、そしてそのプロセス(過程)を、冷めた目で俯瞰できるものです。

では、精通していない事柄は?

 

たとえば「投資」です。

これから投資を始めるあなたには、まず『経験』がありません。

 

したがって
「タイ・マレーシア周遊6日間の旅」みたいに、
そのコトに対する『実行』と、
そのコトから得られる『成果』
短い棒線で結び付けてしまいがちになるのです。

 

何か投資信託を買う。
→ どんな成果が得られる?みたいに・・・。

 

 

「タイ・マレーシア周遊6日間の旅」の場合は
実行と、その成果のタイムラグは『6日間』ですが、
投資の場合、そうはいきません。

 

×・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 〇
実行                  成果

 

下手をすると20年、25年という遥かな道のりです。

 

 

 

 

それなのに、

何か投資信託を買う。
→ どんな成果が得られる?

みたいに、

『実行』と『成果』を安易につなげてしまうのですね。

 

原因のひとつは、
SNSをはじめとしたネット情報であり、
また証券会社など金融機関が発する情報の影響もあります。
プロセスを踏むという「中身」の部分が置き去りになり、とても短絡的になっているのです。

 

 

印象として『実行』と『成果』が
短く結び付けられると、

あなたは
「どの投資信託を買うか?」で、

100%、
100点満点を目指さないといけない!

と思い込んでしまいます。

 

 

 

 

個別カウンセリングを例に取りますと、

投資について勉強し始めた「地点」と、
実際投資を始めた「地点」の間に、

3~10年くらいの『タイムラグ』がある人が少なくありません。

 

 

それってなぜ?

 

おそらく「どの投資信託を買うか?」で
100点を目指さないといけない!と思い過ぎ、

自分が積み立てるファンドを選び切れない。→ 投資がスタート出来ない。というジレンマに陥ってしまっているのです。

 

100点満点を目指す必要はぜんぜんありません!

 

 

 

小さく始めてみましょう。

この「小さく」には二つの意味があります。

 

1.つみたての金額ベースを「小さく」

 

たとえば月5000円程度から始めてみる。
1年経って1万円に増額。
問題なければ2年後から月3万円に増額・・というふうに。

 

 

2.背中に背負うリスクを「小さく」

 

ツイッターなどで語られる
「S&P500インデックスファンド、最高!!」みたいな煌びやかさに惑わされないでください。

 

そもそも(まだ)投資の『経験』がないわけですから、自分の「リスク耐性」を知るのはきわめて困難です・・。

 

したがってまずは
背中に背負うリスクを小さくして、具体的には「バランスファンド」から始めて、

自分の精神状態がどう反応するかを投資の中で観察して、

そこから、
よりリスクを負うか?(あるいは負わないか?)をゆっくり判断すればよいのです。

(ちなみにリスクを負わない選択肢のひとつとして「投資をやめる」も勿論含まれます)

 

 

 

 

たとえば『一例』ですが、

最初は

楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型)でつみたてを始め、

その後、

 

楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)
      ↓
楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)
      ↓
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
というふうに、
徐々にリスク量を増やしていく・・。

 

(そしてこの『プロセスを踏む』のに、別に10年かかってもOKなのです。)

 

あるいは、
楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)に至って時点で、自分のリスク耐性とファンドが合致して、その後20年ずっと当該ファンドを持ち続けるだけになるかもしれません・・。

(もちろんそれはそれでOKですよ。)

 

資産形成とは壮大な「プロセス」そのものを指します。

あなたも資産も『ゆっくり』育っていけばよいのです。最初から100点は狙わなくてよいのです。

カテゴリ:投資の発想法, 投資家の感情リスク

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