2011年、両国国技館、講演の前に膝がわなわな震え出して・・
2022年1月9日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
今日はちょっと「個人的な話」で
投資には直接関係がありません。
(ご承知おきください。)
いきなりですが、
あなたは『どちらのタイプ』ですか?
それを現実にしていくタイプ
今そこにあるモノで(とりあえず)渡っていくタイプ
わたしは断然「B」のタイプです。
20代前半まで
経済や数字のことには関心がありませんでした。
どちらかというと、
文学や社会学を通じて
世の中を通底する目を持ちたいと願っていました。
それが今、FPです(笑)
なりたいものや、したいことがあっても、現実にはそうそう簡単には得られないと、どこか諦念している自分がいます。
と云いますか、
仕事としてのFPは
わたしが一番にやりたかったことでも、
一番になりたかったものでもありません。
しかし、仕事として継続する中で、
少しずつ自分という生き物が
アドバイザーという型(かた)に鋳造されていくのを感じました。
徐々に馴染んで、
それが(少しずつ)心地よくなっていく「旅」のようなもの。
ちょっと個人的な話になりますが、少しだけお付き合いください。
『お金の教養フェスティバル2011』なるものが開催されました。
わたしはそのとき3番目の講師として登壇しました。
(ちなみに当日のtogetterが残っています)
この仕事はわたしにとって大きなチャンスでした。
『毎月1000円から始められるカンタン投資信託』と題して、3000人ものお客様の前でお話ができるのです。
○ わたしのことを知ってもらう。
○ 自分のイチ押しするコンテンツを広めさせてもらう。
この観点で云えば、大人数の前で講演できるのはとても効率的でしょう。
勿論こんな大観衆を前にするのは初めてですから、
パワーポイントのチェックと共に、
入念にリハーサルを繰り返し、講演当日を迎えました。
・・(いよいよ)わたしの出番が近づいてきました。
係の人に誘導されて、
複雑で迷路のような通路を進んでいきます。
(何しろ両国国技館なのです。)
なんだか喉が渇いてきました。
心臓の音が早く聞こえます。
ようやく大きな舞台袖に近づき、
係の人から改めて説明を受けます。
○ ピンマイクの音源は
登壇すると(自動的に)ONになるようにしています。
○ 時計は演台のうえにあります。
(お時間は正味45分です)
○ パワーポイントのコントローラーはココを右左に押してください。
これからの45分のパフォーマンスが、
自分の明日以降のキャリアに大きな影響を与える・・
そう意識したとたん、
膝が小さく震え出したのです。
ヤバイ。
落ち着け!
わたしは念じます。
しかし、自分の気持ちとは裏腹に、
わたしの体は別の反応をします。
ふつうに呼吸するのが困難なくらい、
バクバク心臓が鳴っています。
くちびるが乾燥し喉が渇いて、水をガブガブ飲んでしまいます。
まるでサウナに入っているかのように
背中から汗が流れてきました。
このときわたしは何を考えたと思いますか?
冒頭お話しした、
自分が一番に望んだこと、いちばんに欲していたことでは・ないのだ。』
と、自分に言い聞かせたのです。
わたしは図書館司書になりたかったのです。
それがたまたまFPという道に出会い、そちらに流れて・・
今まで11年(2011年現在。)事務所が潰れることなく、
仕事もコンスタントにいただいて、
こうして両国国技館みたいなところでしゃべれるなんて、
よく考えてみたら、
それだけで
まあ、
「おもろいやないか。」←関西弁。
ヘンな話ですが、そう考えだすと、ちょっと笑っていました。。
わたしはまったくのゼロでした。
暗がりの中で、何を掴んでも手ごたえがなく、
右も左も分からず、
頼るべき人も事もなく、
見る前に跳んでしまう感覚で、
独立開業(2000年)などしてしまったのです。
気が付いたら、
事業主という型(かた)に自分をはめ込むことに一所懸命で、素の自分はどこかに置き去りにされた感じでした・・。
いつの間にか11年が経ち
なぜか東京に住んでいて(兵庫出身)
そして今、
ふだんは相撲をやっているような大きな会場の中にいる・・
これらすべてが
ある種の『おかしみ』を持ってわたしの中に迫ってきたのです。
それは不思議な感覚でした。
そしてわたしは「普段の自分」を取り戻すことが出来たのです。
おそらく、
あんなに緊張することは、これからの人生でもうないでしょう。
一番になりたかったものにはなれない。でも人生はそこから始まるのです・・。
カテゴリ:その他・雑記