インデックス投資全般, 指数のお話

「i シェアーズ・コア MSCI チャイナETF」の組入れ銘柄数は28社から664社に

2021年12月8日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

ちょっとむかし話です。

2001年11月、
「CNBC Asia」(ケーブルテレビ)を観ていた時、キャスターの人が

「来週、中国株式ETFが香港市場に上場します。」
とコメントしていました。

 

 

そのETF(上場インデックスファンド)とは、
「i シェアーズ・コア MSCI チャイナETF」(香港市場上場。銘柄コード 2801)

当時の呼び名は、
「MSCI チャイナトラッカーファンド」でした。

 

わたしはそのニュースを観て
とても興奮したのを覚えています。
「とうとう中国株式のETFが登場するんだ!」と。

 

しかし、
このETF(2801)の中身は
当初『いびつなもの』でした。

 

上場時の組み入れ企業は
たったの「28社」

まだ、中国の株式が
海のものとも山のものとも分からない、
得体の知れなさをたっぷり内包していた頃ですから・・。

ちなみに当該ETFは『MSCIチャイナ指数』との連動を目指します。

 

 

わたしが2003年に
当該ETFを購入したときも、
組み入れ銘柄は「34社」にすぎず、

 

ようMSCI社は中国株式の指数作ったなぁ・・と関西弁で思ったものです。

 

2003年当時の組み入れ第1位は?

「チャイナモバイル」でした。
(携帯電話の会社ですね)
純資産額に占める割合はナント約27%!

第2位の「ペトロチャイナ」は
およそ11%を占め、

たった2社でETF全体の
40%近くを占めていたのを覚えています。

 

 

さて、話はいきなり現在に飛びますが、
2021年9月30日現在の
「i シェアーズ・コア MSCI チャイナETF」

上位組入れ企業を覗いてみましょう。

 

画像元:ブラックロック(i シェアーズ)

 

まったく違う風景が広がっています。

「チャイナモバイル」も「ペトロチャイナ」も見当たりません(><)

代わって上位企業には、
テンセント、アリババ、中国建設銀行などが名を連ねています。

2003年当時、
組入れ銘柄「34社」だったこのETFは、

 

中国の経済発展とともに組入れ企業数が、
2006年 「63社」
2013年 「138社」
2018年 「361社」
そして
2021年9月末には「664社」にまで増加しています。

 

 

このETFが連動を目指すMSCIチャイナ指数、

 

つまり『株価指数』とは、
時にまるで変態を続ける生き物のように、
経済の拡大、産業構造の変遷に伴って、
構成される銘柄(企業)がダイナミックに入れ替わったりします。

 

特にフロンティア、新興国において!

 

 

そして不思議なことに私たち投資家は
(今の例で言いますと、)

 

i シェアーズ・コア MSCI チャイナETFというインデックス型商品を持ち続けるだけで、保有する『中身』が想像を絶する新陳代謝を遂げてしまうのです・・。ふしぎです。

 

 

もちろん今日の例は「一ヵ国の、新興国の株式指数」ですので多少ドラスティックすぎます。

それでも「インデックス投資」とは長期で見れば、
十分にアクティブ的要素を持ちあわせていると言えるのです。

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