インデックス投資全般

昭和の投資、令和の投資

2021年12月6日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

日本において
株式が大衆化したきっかけは
昭和62年(1987年)の「NTT株の売出し」でしょう。

当時は財テクという呼び方をされ、
皆が『殖やすこと』に一斉に興味を示し、
健全でおおらかな欲望をむき出しにした時代でした。

(なんとわたしの母もNTT株を買っていたらしいです。)

 

 

昭和の時代、株(かぶ)の売買は投資の花形で、株式を買う人の目的は短期的な値上がり益でした。
(当時、投資信託は「おまけ」のような存在)

また、金融ビッグバン以前であったため、
株式の売買委託手数料も『固定制』であり、証券会社は最高益を更新し続けました。

(「コスト高」を、高いと気付く術もなかったのです!)

 

 

 

また同時に、昭和の時代は不動産がもてはやされました。

あなたの最寄り駅の近くに、

もしかすると、
築30年を超えるような
こんなワンルームマンションはありませんか?

 

 

1980年代、都心に単身者が増え、
そのニーズを「おしゃれ」なワンルームマンションが吸い上げていきました。

 

実は今から10年ほど前に、
当クリニックのお客様が
兵庫県西明石のワンルームマンションを売却されたことがあります。

 

24平米で・・「420万円」でした。

 

そのお客様は
お父様から不動産を譲り受けましたが、
お父様自身は節税目的で

2400万円位でそのワンルームマンションを昭和61年(1986年)に購入されたのです。

 

昭和60年代、高額所得者、医師などをターゲットに、節税目的のワンルームマンションが全国的にブームとなりました。

 

こちらの札幌の「ダイアパレス大通第2」は、
1989年築のワンルームマンション。

 

 

画像元:アパマンショップ

賃料を↑見てみてください・・。

 

昭和の時代には、
想定する「家賃収入」から見て、
物件価格の利回りは何%くらいだろう?という、

『収益還元法』の考え方が皆無でした。

ただ節税、そして値上がり益目的だったのです。

 

 

時は下って、「令和」の世の中です。

証券会社においても、
もはや主要な商品は株(かぶ)ではなく、
投資信託などに移行しています。

その投信も、日本株ファンドではなく、
今は米国株ファンドをはじめ、海外の株式、債券ファンドが主流になっています。

そして、こちらの記事にもある通り、

投信販売、楽天証券が初の首位 ネット経由が主流に

 

若者もシニアも、
窓口としては『ネット証券』を選ぶようになりました。

自然、支払う手数料にもシビアになり、『コスト』が投資家にとって重要なファクターとなったのです。

 

何より無意識のうちに、

 

・銘柄の分散
・国の分散(通貨の分散)
・投資時期の分散 という「教養」が身に付き、潜在リターンだけでなく、潜在リスクをコントロールすることに重きを置くようになりました。

 

(そう、積立投資は「投資時期の分散」に当たります。)

 

 

投資の『税制優遇口座』も整備され、
投資信託で長期、資産形成目的へという流れが出来つつあります。

もちろん不動産も立地、そして利回り重視で、
かつての値上がり益目的は影を潜め、中長期のスパンで、現実的な収支予想をもとに投資管理が行われています。

 

こうして振り返ってみますと、
『昭和』から『令和』へ、

30数年をかけ【長期】【分散】【低コスト】という投資のエッセンスが、徐々に広まりつつあるのでは?と感じています。

これは立派な「進化」です。

あとは、あなたが肝に銘じてそれを続けられるかどうかですよ・・。

カテゴリ:インデックス投資全般

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