時間切れ寸前!「ジュニアNISA」は今から2021年の枠に慌てて満額入れる?(でも時間の分散が十分できませんよ)
2021年11月15日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
2020年以降、
『ジュニアNISA』絡みのご相談が増えています。
同制度はすでに廃止が決まっており、
それゆえに、
一括解約に限って18歳未満でも「非課税」のまま払い出しが出来るようになったため、
かえって人気が高まるという奇妙な現象が起きています。
たしかに『非課税』は魅力的ですね。
本当にもう
21年、22年、23年の『3年間』しかお金が入れられず、
これが『最終列車』ですので、
もう電車が出ますよ~
最後です、乗り遅れますよ~
と言われると、
是が非でも
ジュニアNISAという乗り物に乗らなきゃ!と思ってしまいます。
(もちろん、
制度の中身や「制約」を十分理解されて利用するぶんには全然OKだと思います)
ちょっと深呼吸してみましょう。
21年 22年 23年
80万 80万 80万
仮にジュニアNISAに
お子様一人当たり「240万円」のお金を入れ、
お子様お二人で「計480万円」を入れても、
手元に潤沢な資金があり、
ご夫妻の老後のための資産運用もきちんとされている、
お金の入れ方は
21年 22年 23年なので、
十分な時間分散(投資時期の分散)は出来ないが、
お子様の年齢が ⇒ それぞれ3歳、5歳で、
18歳になるまで、
それぞれ「15年」「13年」あって
それなりに「長期」の運用期間が確保できる、
という人は、
ジュニアNISAを利用してもよいでしょう。
ただし、です。
こんな例に当てはまる人は要注意・・。
もともと子どもさんの『教育費』は
毎月1~2万円の「つみたて投資」で考えていた人が、
手元にある預金、
例えば600万円、700万円の中から、
向こう3年で240万円、
もしくは480万円(子が二人の場合)
ジュニアNISAにお金を入れようとするのは、お勧めできません。
ちょっと考えてみてください。
教育資金の準備のため
月1~2万円の「つみたて投資」を考えていた人は、
毎月『少額』コツコツだけれど、
長い時間分散(投資時期の分散)をして、お金を増やすことを望んでいたはず。
教育費の準備に回す余裕はあまりないけれど、
少しずつ長く積み立てするのは出来そうだ、と考えていたはずですよね?
そういうケースでは
ジュニアNISAという「制度」と、
あなたの「資金状況」が、そもそも『噛み合っていない』と考えます。
それなら、
―ジュニアNISAの準備をしているあなたなら、
もう『未成年口座』は用意しているかもしれませんが、―
シンプルに『未成年口座』(これは課税口座です)を作って、
お子さんの名前で「つみたて投資」したほうが、
全体のバランスを保ちながら、健全な資産管理ができるはずです。
という話になりますよね。
また深呼吸です(笑)
緊急の「具体的トピック」についての話なのに、恐縮なのですが、できれば、スマホで写真を撮る人を、一歩下がった地点で撮るように、
できるだけ冷めた目で
【あなたのご家族のお金の全体図】を見て欲しいのです。
こと『資産運用の分野』で云えば、
〇 お子さんの教育費準備のための資産運用と、
「カンさん。酷な質問をするわねぇ・・」と思われますか?
スミマセン。
必要な資金額で見た場合、
ご夫妻のための資産運用がより重要となるのは『明白』です。
⇒ 優先順位を明確にしましょう。
仮に、ですが
上述のように、
手元の預金700万円の中から、
向こう3年で
計480万円(お子様二人の場合)ジュニアNISAにお金を入れてしまい、
ご夫婦(老後)のための資産運用、
その他の資本的支出がおろそかになれば、
それこそ『全体のバランス』を大きく崩すことになってしまいます。
いっぽう『投資できる期間』はどうでしょうか?
〇 教育費準備のための資産運用
現在45歳のご夫妻なら
引退される65歳まで、
さらにそこからは、
運用を続けながら少しずつ「取り崩す」生活が待っていますから、運用期間はゆうに30年を越えます。
「いっぽう、お子さまの教育費は?」
必要になる時期がおおむね決まっていますね。
18歳~23歳くらい?
今6歳のお子さんなら、
6歳 → 18歳(12年)
6歳 → 22歳(16年)のイメージです。
両者は『投資可能期間』がぜんぜん違います。
教育費準備の運用のほうが
ご夫婦(老後)のための運用より投資できる『期間』が短いため、
『より保守的に』資産運用の中身を捉えるべきではないでしょうか。
ジュニアNISA最大の「制約」は?
2023年までに限られる点です。
人は「利益」よりも「損失」のほうに過剰に反応してしまう生き物。
向こう26ヵ月程度で数百万円のお金を入れ、
万が一『暴落』に遭遇した場合でも、あなたは投資を続けられるでしょうか?
これは一度自問してみる価値がありそうです。
教育資金の運用は
「使う時期」がおおむね決まっているからこそ、
時間分散(投資時期の分散)が重要になってくると、当クリニックは考えます。
カテゴリ:100年ライフプラン