思わず椅子からずり落ちそうになった、米国の確定拠出年金401(k)プラン『マッチング拠出』の威力とは?
2021年11月10日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
米国のファイナンシャルプランナーの動画を観ていると、必ず401(k)プランの話が出てきます。
アメリカの代表的な確定拠出年金制度ですね。
8日のブログで
『2022年、アメリカの確定拠出年金401(k)プランの年間拠出限度額は20500ドルに増えます』と記しました。
あくまで従業員側の年間拠出の限度額です。
(引き出し時まで課税は繰り延べ。全額所得控除可能。)
??
そう、米国の401(k)プランにも
実は『マッチング拠出』があります。
(Employer matchと呼ばれます)
ちょっと「おさらい」しておきましょう。
2.あなたも「拠出金」が出せるというもの。
ところがアメリカでは【逆】なのです。
(その限度額が来年から年20500ドルに。)
2.勤め先の会社も「拠出金」が出せるというもの。
もちろん勤め先(会社)によっては、
『マッチング拠出』に対応していないところもあります。
それに、
どの程度「マッチング」してくれるかは企業(雇用主)次第・・。
あなたが月100ドル拠出しています。
勤務先の会社が『マッチング率』25%で
掛金を出してくれる場合、
会社は「25ドル」拠出することに。
すると、
あなたの拠出額は(自動的に)
100ドル + 25ドル = 125ドルに増えます。
あなたの勤め先(企業)はこう言います。
あなたの拠出額に対して、
あなたの給与の「5%」までは、
100%マッチングしてあげましょう。
そしてあなたが「5%」にプラスして
もう「2%」自ら拠出するなら、
その分については、
50%マッチングしてあげましょう!
上記は、一般的な『マッチング事例』のひとつです。
(実はわたしは米国在住の相談者さまにカウンセリングをする機会があり、上記はお客様に教えていただいた一例です。)
『具体例(その2)』を数字に落とし込んでみましょう。
あなたの給与が
年間5万ドル(課税前)だとします。
給与の5%は?
「2500ドル」です。
あなたが年に「2500ドル」拠出すると、
会社からの「拠出分」としてプラスアルファされます。
次に、追加の2%分、
つまりあなたが「もう1000ドル」拠出すると、
この分については『50%のマッチング』となりますので、
会社からの「拠出分」が年500ドル、プラスされます。
ちょっとだけ『計算』してみていいですか?
2500ドル+1000ドル = 3500ドルに加え、
2500ドル+500ドル = 3000ドルあるので、
(ナント)6500ドルに!
(あなた自身は、3500ドルしか出していないのですよ!)
スゴイですね。
(なお、会社側の拠出金は一定限度まで損金算入できるのだそう。)
これはわたしの想像ですが、
401(k)プラン「商品ラインナップ」
そして「マッチング率」をリサーチするのは必須になっているのでは?
転職エージェントの人たちの重要な仕事の一部なのでしょうね。
米国の確定拠出年金401(k)プランは、
今お話ししたような『大きなインセンティブ』を有するため、
アメリカ人はふつうに401(k)を利用し、
その結果、
投資信託を用いたつみたて投資に
体の内部から自然に「なじんでいる」わけです。 ← ココ重要!
日本でも、
〇 拠出限度額を引き上げ
〇 マッチング拠出をさらに普及させる
ことによって、
その企業の『確定拠出年金の状況』をリサーチすることが当たり前になるはずです。
米国のFP(ファイナンシャルプランナー)が
テレビ、ラジオなどの相談コーナーで
まずは401(k)から!
マッチング制度はありますか? マッチング率は何パーセントですか?
と連呼するように、
日本でも企業型・確定拠出年金の「拠出限度額」が上がり「マッチング」が盛んになれば、
「まずは確定拠出年金から!」
「マッチング制度はありますか?」が、
FPにとってより日常語になっていくことでしょう。
最後に、Kay Sugaiさんのこちらの記事もとっても分かりやすいですよ!
カテゴリ:確定拠出年金(iDeCo・企業型)