手元の安全資産にプラスして、ポートフォリオ内でも安全資産を持つ必要ってアリ?
2021年10月31日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
久しぶりの登場ですが、
以下、田中一郎さん(34歳)の資産配分・基本計画です。
田中さんは『毎月』残るお金の、
〇 50%を「貯蓄」に充てています。
そして、
【まとまったお金(ご資産)】のほうは
以下のような区分けを行っています。
〇 安全資産(預貯金等)を「半分」確保 ← 生活防衛資金含む。
〇 それ以外は投資に回すお金に。
ココ、もう少し詳しく記すと、
〇 手元の預貯金 800万円
〇 投資に回すお金 800万円
のイメージです。
つまり、
田中さんは月ベースの「貯蓄・投資の割合」と、
資産ベースでの「貯蓄・投資の割合」を50:50で「揃えて」いるのです。
ザ、シンプル管理。
田中さんはこう考えています。
「預貯金800万円はキープするつもりなので、
これを『安全資産』と見なせば、
運用する資産の中身(ポートフォリオ)はリスク資産のみ、それも株式ファンド100%でOKなはず!」
フム・・ぜんぜんOKです。
立派な『ひとつの考え方』です。
「手元の安全資産」50%
「ポートフォリオで運用する資産」50% なので、
「運用する資産」は株式ファンドのみで行う。
行う?
ほんとに行いますか?
んー、
ちょっと深呼吸してみましょう。
運用する資産が「株式ファンド100%」でOKなのは、株式ファンドのみという『リスク』を背負える場合であります。
SBI全世界株式インデックスファンドのみを保有。
ぜんぜん平気だった。に加え、
これはチャンスと思って買い増しをしたいくらいの気持ちになれた。
ハイ、合格の『リスク許容度』です。
言い方を換えると、
あなたが背中に背負えるリスクの大きさが、
債券50%+株式50%の「楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)」程度であれば、まさに同ファンドを運用する資産として考慮するべきでしょう。
(ちなみに「楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)」は、昨年のコロナショック時、20%程度の下落を経験しています)
ネット証券の資産管理画面上で、
あなたは運用している金融商品の「今」を確認しています。
その画面の中では、
「全世界株式ファンド」と、
「国内債券、外国債券等も含んだバランスファンド」では、
値動きの大きさが異なります。
運用資産の『毀損率』が一時的に大きくなったとき、
「嗚呼、
マイナスのパーセントが28%になっている!」
とか、
「マイナス幅が30%超えた。。220万円のマイナス!?」とか、
滅多に起こりませんが、でもそれって起こり得るわけです。
運用している資産の中での、
『マイナス金額』に、
目が「釘づけ」になってしまいがちです。
頭の中では、
「運用に回していない安全なお金が手元に5割もある。」
と分かっていても、
(暴落が起こると、)
体がスマホの前で硬直してしまい、感情リスクが発露してしまうことがあります。
その発露は、
・つみたて金額を減らしてしまう、
あるいは、
・運用している資金の一部を売却してしまう、
という悪い行いに発展してしまう可能性すらあるのです。
手元の「安全資産」にプラスして、ポートフォリオ内でも「安全資産」を持つ形は、ぜんぜん「おかしく」ありません。
それは枕を高くして眠るための、立派な「戦略」のひとつなのです。
カテゴリ:ポートフォリオ運用