投資家の感情リスク

シンプル投資のコツは?「いかに自分を上手に騙せるか。」

2021年10月11日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

あなたは小綺麗な相談室に入りました。

日本株、先進国株、新興国株3つの投資対象を
『どんな比率で組み合わせますか?』とアドバイザーに聞かれます。

あなたはふと
「日本株式」という独立したアセットクラスを見つめます。

 

一度、小首を傾げてから、

でももちろん日本人ですから
日本株にもっとも馴染みがあり、
日本株についての情報量がもっとも多いため、

偏りエネルギーに背中を押されて、
日本株式の比率を「そこそこ多めに」してしまいました。

 

 

資産運用とは
同じ熱量で
超長期の道のりを歩み続けることです。

そこでは自分を主人公とせず、
感情を沈めて、冷めた目を持つことが大切。

ある意味、自分を騙すことが必要になるのです。

 

だます?

ハイ、そうです。

 

より正確にいえば、
自分で決定できる『スペース』をあえて狭める工夫ですね。

 

 

上記の例でいえば、
日本株、先進国株、新興国株という3つの組み合わせで「全世界株式」を認識するのではなく、

最初から選択の余地がないよう、← 良い意味で。
「全世界株式」というパッケージを買う。
そう決めてしまうことです。

(つまらなくはなりますが・・)

 

 

次に、
自動引き落としによる「つみたて投資」です。

この投資実行法は(実は)大胆不敵!

 

投資信託を購入する際の、
・いつ、
・金額ベースでいくらぐらい買うか。
という自身の『裁量』
(自分で決定できるスペース)を、
はじめから放棄するわけですから・・。

 

資産運用業界では長らく、
「つみたて投資」は幼稚な、
資金をあまり持たないビギナーが実行する、
例外的なリスク資産の買い方と見なされてきました。

(ちょっと小馬鹿にされてきたのです。)

 

 

2009年12月に
ネット証券ではじめて
『千円・投信積立』を開始したのが当時のカブドットコム証券でした。
(現auカブコム証券)

画期的だったのは、
銀行口座からの自動引き落としによる「つみたて投資」が出来たこと。
それでも同サービスに対応する銀行はたった『8行のみ』でした。

 

つみたて投資では
ファンド価格が上がっても下がっても、

 

(あなたではなく、)仕組みが一定周期で
「一定金額」の「買い注文」を入れてくれるので、
あなたの悩みのタネ、それに伴う感情的な行動が抑えられます。
結果『投資の元本』が着実に積み上がります。

 

つみたて投資は自分をうまく騙す典型例と云えるでしょう。

 

ほかにも自分を騙す例はあります。

ほんとうは潤沢な安全資産があるのに、
それが「ある」と極力感じないよう、

わざとふだん使わないネット銀行に
まとまった金額を預金したり個人向け国債(10年物)を1000万円超保有したりとか。

 

投資の「窓口」を
ふだん意識しないようにするため、
アプリもダウンロードせず、

「ログインID・パスワード」もすぐわかる場所には保管せず、わざと窓口との距離を遠くにしているとか。

 

上手く「だます」ことは投資期間でも可能でしょう。

最初から『20年!』と頑張りすぎると息切れしてしまうので、

 

『投資を続けるのは?』
ま、取りあえず「次のオリンピック」までかな?と、自分をだます。

 

最初のオリンピック期間(4年)をクリアできれば自信になりますし、もう4年やってみようかというノリで全然いいと思います。

最後に、自分は先月投資を始めた超ビギナーなのに、いきなり『平均』を獲得できるなんて超ラッキー!と自分をだますのが「インデックス投資」です(^^)

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