ポートフォリオ運用

他人の、外部情報のみで「自分のポートフォリオ」を決めるのは危険ですよ

2021年10月6日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

株式市場が急落したり調整局面に入ると、
何の好機になるかというと、
あなたの『ポートフォリオ』を考える好機になります。

 

〇 昔から伝統的に
【100 - あなたの年齢】分だけ「株式」を持ちましょうと言います。

 

これって決して間違っているわけではありません。

 

若い時のほうが、
―たとえばあなたが25歳としましょう。―

背中により大きなリスクを負い
株式の割合を高く保つことが合理的。というのはその通りです。

100-25歳= 株式の割合75%!

ただし、
人は「合理性」だけで生きているわけではありません。

また、すべての若い人が
大きめのリスクを好んでいるわけでもありません。

 

 

(あと、少し理屈を言えば
私たちの『人生時間』は延びに延びているので、
【110 - あなたの年齢】という「式」に改めたほうがよいのでは?)

 

YouTubeやブログを見れば、
それぞれの主催者が
さまざまな資産配分(ポートフォリオ)を自信たっぷりに提唱しています。

 

この「自信たっぷりに」という所がポイントで、
はっきり言われるとてっきり、
(それって)『自分にとっても「正解」なのでは?』と思ってしまうのですね。

 

ツイッターの世界ではそれが顕著です。

 

コロナ後のツイートでは、
『S&P500インデックスファンド最強!』みたいな文章が躍っています。

 

たしかに↑この3、4年はアメリカ株式は最強でした。

でもそれが
この先10年続くかどうかは誰にも分からないわけで・・。

 

他者の、外部情報だけで
あなたのポートフォリオを決めてしまうのは危険です。

 

これは大事な「あなたのお金」の話ですから、
何より『あなたの肌感覚』を重視すべきではないでしょうか?

 

肌感覚?

そうです。

 

スマホ選ぶ時も、旅行の行き先を選ぶ時も、
誰と休日を過ごしたいか決めるときも、
あなたの『肌感覚』が存在するはずです。

資産運用の主人公はあなたであって、
中田敦彦さんではないのです。

 

 

誰かのひと言で
「自分のポートフォリオを決めてしまいたい!」
と思ってしまう原因は、

世の中に
ポートフォリオ(資産配分)が
無限大に存在するからだとわたしは思います。

一度深呼吸してみましょう・・。

 

 

別に、一から自分で資産配分を築かなくてもいいのです。

 

『標準の間取り』にあなたの住まい方を合わせるように、
『標準のポートフォリオ』
あなたの投資を合わせてあげても、全然よいと思います。

 

ここに
4種の『標準ポートフォリオ』を挙げてみましょう。

準備はいいですか? 

じゃあ~ん!

 

〇 全世界株式のポートフォリオ
(例:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー))
マイナス50%

〇 株式70:債券30のポートフォリオ
(例:楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型))
マイナス42%

〇 8資産均等型のポートフォリオ
(例:eMAXIS Slimバランス(8資産均等型))
マイナス38%

〇 株式50:債券50のポートフォリオ
(例:楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型))
マイナス35%

〇 株式30:債券70のポートフォリオ
(例:楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型))
マイナス23%

 

上記4つの「標準ポートフォリオ」の中で、
どれがあなたの肌感覚にいちばん『近い』と感じますか?

 

おそらくそれを決めるには、

 

2008年のリーマン・ショック級の『暴落』に万一見舞われたら、それぞれの『標準ポートフォリオ』がいったい何%ぐらい下がってしまうのか? 

 

その、おおよその「数字」を知ってからでもよいと思います。

 

 

実は(上記)赤字で記した『マイナスの数字』が、それに当たります。
(おおよそのイメージ値とご理解ください)

 

まだ、つみたて投資を始めて数年しか経っていないあなた。

月4万円のつみたて × 12ヵ月 × 3年だと、
元本はまだ「144万円」ですが、

もうあと5年、今のペースで積み立てをしていると仮定し、
『運用資産額』を出してみましょう。

月4万円 × 12ヵ月 ×(3年+5年)= 384万円。

このお金(あくまで投資元本ですが)が、

マイナス50%
マイナス38%
マイナス35% くらいになったとしても、

 

果たしてあなたは「夜眠れますか?」
「その月の、積立投資、続けられますか・・?」

 

 

我慢して、
なんとか続けられるかも・・ではなく、
ある程度余裕を持って「続けられそうです!」と答えられる『標準ポートフォリオ』は、一体どれでしょうか?

 

こう問いかけると、
「全世界株式型のポートフォリオ」に当てはまる人は(案外)言うほど多くはないはずです。

 

 

リスクの許容度は、
その資産配分(ポートフォリオ)が最悪の1年に遭遇した場合、最大の損失額が「○○万円」くらいになってしまう。それでも大丈夫か・・?から導いてみる。

 

これは当クリニックのカウンセリングでの基本となる考え方です。

先に悪いことをイメージしておき、どっしり長期投資に励みましょう。

 

 

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