経済よもやま話

そろそろ身構えましょう(無邪気な上昇相場は終焉?)

2021年10月5日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

この1年半を振り返ってみましょう。

コロナ渦の中、
金融は大幅に緩和され(=市場にお金がジャブジャブと流れ、)

資産価格は雲の上にいるように
心地よく上昇を続けてきました。

米国の金融政策では
11月には金融緩和の縮小(テーパリング)が始まり、
来年(2022年)には政策金利の引き上げが実施されると言われています。

 

・・要は世の中と同じように、
金融の世界も「正常化」に向かうということ。

 

むかし歌手のペギー・リーが
『The Party’s Over』という歌を歌っていましたが、
まさに「パーティーは終わった」のです。

 

 

これから株式市場ほんらいの『波』、
アップダウンを有した状況に戻っていきます。

具体的には特に「ダウン方面」が顕著になる市場環境になるのでは?

別に暴落が起こるという警告ではありません。
あなたがお持ちのリスク資産をすべて売ってお金をタンスに預金しましょう、という話でも全然ありません。

 

ただ、

少し『身構えておきましょう』
『下落相場(bear market)』に心を備えておくべき。
と申し上げたいのです。

 

 

 

この1年半のマーケットの功罪は、
エスカレーターのように株価は上がるのだ・・
という勘違いを流布させた点でしょう。

これまでの市場の動きは、実は『例外的』だったのです。

 

マーケットはほんらい「浮き沈み」する存在です。

 

アップダウンを繰り返し、
それでも総体で見れば、ダウンよりアップの回数が多く、

ダウンよりアップの「率」が高いために、
超長期で見れば、株価指数は高値を更新しているわけです。

ですよね?)

 

ただ、株式市場は
「小学6年生の駄々っ子」みたいなところがありますから、
下がる時は、執拗に下がってしまうという性質も持ち合わせています。

⇒ ここを勘違いしないこと!

 

 

自動エスカレーターのごとく株価が上がり続けることがないのと同様、下りのエスカレーターが続いて株価が下がり続けることも、またありません。

 

⇒ 短期的な「大きな変化」に惑わされないようにしましょう!
(少し『身構えましょう』とはまさにそういう意味なのです。)

 

わたしが危惧するのは
市場の動きそのものよりも、
個人投資家の『心の動き』です。

 

世界共通の金融緩和の原因が
世の中を襲った「コロナ渦」でした。

そしてその「コロナ渦」をきっかけに、
世界のあちこちで若い投資家が誕生しました。

株取引アプリが席巻し、
お手軽に(安価に)リスク資産を購入できるようになったのです。

「出来事」と「時代」のシンクロですね。

 

 

そしていきなりの『成功体験』!

「・・なんだ、こんな簡単に儲かるんだ」と勘違いしている人が、何百万、いや何千万人と地球上で存在していれば、それはちょっと問題かもしれません。

耐性のない個人投資家が
下りの急なエスカレーター(急落)に遭遇し驚き、
保有する株式やら投資信託を売却してしまうと、

『売り』が『売り』を呼ぶ事態になってしまいます。

 

ですので、
少しだけ声高にあなたに伝えたいのです。

⇒決してパニックにならないこと。

まるで岩が砕けるような急落が襲ってきても、
『下げ』がしばらく続くようなマーケット環境になっても、

ショックを受ける必要はありません。

 

それは市場の大きめのくしゃみであり、風邪であり、発熱であり、ときどきは『起こってしまうこと』なのです。

 

⇒決して、慌ててすぐに何か行動を起こそうとしないこと!

 

 

マーケットが回復するためには、
『下落』状態でしばらく寝込んでおくよりほかないのです。

あなたが10年超の投資期間を見込んでいるなら、
何も余計なことはせずにマーケットの動揺をやり過ごすこと。

あなたには
市場の動きに「反応しない」という「反応」が求められます。

 

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