経済よもやま話

世代間の「資産移転」を促進するためには、5年間に限って贈与税『ゼロ』とする奇策が必要なのでは?

2021年9月26日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

日本人の個人金融資産が2000兆円に迫っています。

 

 

日銀「資金循環統計」によると
個人金融資産の残高が6月末時点で1992兆円になった模様。
(過去最高を更新。)

※以下、いずれも前年比です。

 

「現金・預金」⇒ 4.0%増 1072兆円
「株式等」  ⇒ 30%増 210兆円
「投資信託」 ⇒ 28.7%増 89兆円

 

 

相も変わらず、現金預金が半分強を占めています。
株、投資信託はコロナ渦の中、
金融市場が大きく上昇した影響が出ています。

現金・預金の増加は
コロナ渦での給付金、支援金などが
消費控えの影響もあって積み上がっている現実もあると思われます。

 

 

お金って難しいですね・・。

それが手元で膨大に積み上がっても、
お金自体が回っていかないとモノ・サービスの取引は増えません。
(眠っているだけでは意味がないのです。)

世帯主の年齢階層別・貯蓄総額の実情をさぐる(2020年公開版)」という記事から拾ってみましょう。

直近の2019年においては、
二人以上世帯に限れば、

 

今や貯蓄総額の4割近く
70歳以上の世帯で占められている。
60歳以上に区切れば7割近くとなる。(太字はカンによる)

 

これが膨大なお金が眠っている原因です。

 

人はいずれ亡くなりますから、
必ず『世代間の資産移転』は起きます。

しかし超高齢化社会が進む中、
今では、

 

〇 80、90代(親)→  60代(子)「相続」という形が主流になっています。

 

 

正直、60代でもらう1000万円と、40代でもらう1000万円では、お金の『効用』が違います。

たとえば65歳で1000万円を相続しても、それは親の代と同じように預金に眠る可能性が高くなるだけでは・・。

 

モノ・サービスを購入する(金融資産への投資も含む)カタチで、お金が回っていきやすいのは、明らかに40代以下でしょう・・。

 

 

個人金融資産の構造的問題は、
モノ・サービスの購入パワーがある20~40代に自由にできる資産が極端に少ないこと。

相続の一部を『前倒しで実施する』という意味合いで、
たとえば時限立法ですが、

2023年~2027年の5年間に限り、
贈与税を【無税】にして、

より若い世代への資産移転を促進するという「奇策」が、ひょっとすると今の日本には必要なのかもしれません・・。

 

カテゴリ:経済よもやま話

おすすめの記事