投資の発想法

9・11同時多発テロから20年。そのときNY証券取引所はどう動いたのか?

2021年9月12日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

2001年9月11日(火)の米同時多発テロからちょうど20年が経ちました。

あの頃と比して
テロの脅威が減じたわけではありません。むしろ高まっています。

旅客機2機が突入した
世界貿易センター(WTC)からわずか数ブロック先に
「ニューヨーク証券取引所」はありました。

 

騒乱状態の中
9月11日(火)当日、株式市場は閉鎖されます。

翌日の水曜日から金曜日までの『4日間』
マーケットは閉じたままでした。
(こんなに長く市場が閉じたのは大恐慌以来のこと。)

翌週の9月17日(月)、株式市場はようやく再開されます。

以下、当日のNY証券取引所のオープニング・ベルの様子です。

 

 

わたしはこのとき、
たまたまCNBCのライブ中継を見ていました。

取引開始前に犠牲者を悼んで、
2分間の「黙祷」が捧げられました。

そして開始のベルを鳴らす前に
God Bless Americaが斉唱されたのです。

厳かな雰囲気でした・・。

 

『God Bless America』は、
第二次世界大戦が始まる直前の1938年に、
Kate Smithという歌手によって歌われ、

アメリカ国民の間では
「国歌」に匹敵する意味を持つ歌です。

その歌が、
証券取引所で歌われている・・。

 

国民の財産として
公正な市場(マーケット)を守るんだというアメリカ人の矜持を感じました。

 

2001年9月17日(月)は
半ば「下がることが当然視」され、
そして実際に市場は「急落」します。

ダウ平均は 684ドル81セントの下げ幅を記録。

米国にはストップ安、
ストップ高の仕組みはないのですが、
確かこの時は『値幅制限』が設けられていました。

 

 

17日以降も株価は下がり続け、
一時米国ダウ平均は「7000ドル台」にまで落ち込みました。
しかし、同年10月4日には「9123ドル」まで回復します。

(2021年の今は? およそ「34600ドル」ですね)

 

動画を観てみると、
市場関係者の「自由経済」を守るんだという熱気が伝わってきます。

 

米国人にとって
株式市場は活力ある経済の象徴なのです。

 

どんなときでも、
公正な取引の場を提供する、
ここは開かれた場所なのだという気概。

 

証券市場という「公共財」が機能しているおかげで、
あなたやわたしが持っている投資信託の『価格』も
毎日つつがなく決定しているわけです。

 

 

さて、
『災難は忘れた頃にやってくる』と云います。
わたしが個人的に危惧するのは「大規模なサイバーテロ」です。

これが起これば、金融システムだけでなく、
すべての生活基盤インフラが危うくなります。

 

万が一、
向こう半年、一年と『金融市場』が閉じてしまっても、
今のあなたは、後悔のない資産の配分(ポートフォリオ)となっていますか?

 

今一度、投資の骨太方針をチェックしておきましょう。

 

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