投資の発想法

若者と 秋の虫と 投資に対する温度感について

2021年8月27日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

残暑お見舞い申し上げます。

ここ徳島も
急に真夏のような暑さになっています。
あなたがお住まいの地域はいかがですか?

徳島では「秋の虫の声」が田んぼから畑から、
あるいは水路横の小道から聞こえてきます。

 

・・気温は真夏並み。
・・でもすでに虫の声。

 

ここでは「虫の声」が
季節の変わり目を告げる先行指標なのです。

 

 

投資において
先行の印(しるし)となるのは若者です。

人の致死率は100%ですから
今生きている人は間違いなく全員いつか亡くなります。

じゃあ「死」までの距離がもっとも長いのは、誰でしょう?

若者ですね。

 

若者こそが「もっとも遠くの未来」を
無意識に見ているわけです。

その感覚でもって、彼ら/彼女らは行動します。

 

人生の残り時間が長いということは、
『投資姿勢』にどのような影響を与えるのか?

 

 

話は急に変わりますが(笑)、

フィデリティ証券のサイトで
『ザ・ハイブリッド』という「ロボ+ヒト」の投資一任契約サービスが紹介されていました。

 

※注:手数料がかさむため上記は全くお勧めしませんが・・。

 

しかし私は勉強のために
サイト上で計21ステップに及ぶ『無料診断』を受けてみました。


その中に「リスク許容度の診断」があり、
次の質問がありました。

 

投資の意思決定を行う場合、
損失や利益に対する考え方としてご自身に当てはまる表現をお選びください。

 

利益が出るのを楽しみにしている。

 

利益が出ると楽観的に考える。

 

利益が出ることも、損失になることも両方考える。

 

損失が出るかもしれないということはわかっている。

 

損失が出るかもしれないと思うと心配でたまらない。

 

あなたなら、どう答えますか?

「利益が出るのを楽しみにしている。」
「損失が出るかもしれないと思うと心配でたまらない。」は両極端な反応ですね。

 

 

「利益が出るのを楽しみにしている。」は、
利益のみを無邪気に期待している様で、能天気ですらあります。

このような心境で投資を始めてしまうと、
市場がクラッシュする場面では心が不安定になって投資を止めてしまう恐れが・・。

逆に「損失が出るかもしれないと思うと心配でたまらない。」だと、そもそも投資を始めることが困難です。

 

仮に、28歳の若者が
上記質問に答えるとしたら、
どの「考え方」を選ぶ人が多いのでしょう?

わたしは意外に、
日本の若者は
『利益が出ることも、損失になることも両方考える。』を選ぶ人が多いと思います。

良い意味で「冷めている」のです(堅実なのです)

 

 

ひとつには勿論、
人生の残り時間が長いということがあります。
(どっしり構えて取り組みやすい・・)

しかし『時代背景』も重要でしょう。

 

わたしの世代(53歳)より上は、

 

年を重ねていけば、
自分の人生は良くなっていく・・

 

つまり、経済的な上昇気流が続くだろうから、それに乗っかっていけば、暮らしはだんだんに良くなるはずだという無邪気な期待がありました。

 

今の28歳にそんな期待はありません。
そんなものは『幻想』と感じているはず。

逆に人生の「不確かさ」を
全身で隈なく浴びようとする生真面目さを備えています。

 

投資に関しても、
自身のお金を増やしたいというより、
人生に対する不確実性を「ヘッジ」したいという気持ちが強いのでは?

 

 

投資は、
楽観に寄りすぎても、
悲観に傾きすぎても良くありません。

利益も損失も、所詮は転がる石の両面であり、
物ごとが転がり続ける限り、不規則に(交互に)現れてしまうものなのです。

適度に恐れながら、しかし果敢に「歩」を前に進めていく必要があります。

 

私見ですが、今の28歳は
あなたやわたしが28歳だった頃より、
投資という事象に対して冷めた対応ができそうな気がします。

 

そうは言っても、
投資という乗り物に「乗るまで」の逡巡が誰にでもあって、
ゼロから1までが、
とてつもなく長い(困難がある)わけです。

わたしはつみたてNISAなどにおいて、
20代、30代の人に限定して
『非課税期間 = 無期限』に改定するべきだと考えます。

(政治の世界も投資の世界も、新陳代謝が必要なのです)

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