つみたて投資

つみたて投資は下り坂でも大丈夫?

2021年8月26日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

たとえば、です。

ある投資信託の値段が
毎月毎月どんどん下落し、
ここ数年で、

ファンド価格が
10,000円から5,000円まで下がってしまったとしましょう。

投資信託の成績は?
「マイナス50%!」
(※ここでは分配金は「なし」とします)

 

この場合、
毎月つみたて投資を続けるあなたの『成績』も、
同じようにマイナス50%になるのでしょうか?

 

答え)

なりません。

 

 

勿論、あなたの『つみたて投資の成績』はマイナスにはなります。
ただ、うんとましな『マイナスの数字』になるはずです。

それはなぜでしょう?

投資信託の値段が
どんどん下がり続ける中で、
つみたて投資を続けるとは?

(同じつみたて金額で)
どんどん買える『口数』が増えていく、
ということに他なりません。

 

 

価格が下がるのは
つみたて投資の『成績』には
ネガティブに働きますが、
口数が増えるのは、
つみたて投資の『成績』には
ポジティブに働きますから、
投資信託そのものの「成績」ほど、
あなたのつみたて投資の「成績」は下がらないのです・・。
(ココ、伝わっていますか?)

この現象を
【終わりで大きく儲かる「つみたて投資」】の著者 星野泰平さんは、独特の言い方で表現されています。


 

下り坂でもきちんとブレーキがきいて、
ゆっくり下がっていくイメージです。

これも、「つみたて投資には安心感がある」
という理由の一つです。

 

なるほど・・。

 

つみたて投資家は
長く続く下り坂でも慌てなくて大丈夫。
安心して「つみたて」を続けるべきなのですね。

 

・世間一般がイメージする
『下落』のイメージに引っ張られないこと。
・つみたて投資の成績は
『獲得口数』×『ファンド価格』と心得ること。

 

マーケットが思わぬ下落を続ける → 下り坂を転がることを「楽しめる」くらいになればもう本物のつみたて投資家です。

 

(ところで)これまで投資の世界では、
「どんな金融商品を買うか?」のみが注目されてきました。

しかし実は、
投資スタイルの決定には『2つの要素』があります。

それは、

1.何を買うのか?
2.どのようにお金を入れていくのか?

です。

 

換言すれば、
投資を行うとは、
1.何を買うのか?
2.どのようにお金を入れていくのか?
「合作」なのです。

 

 

たとえばニッセイ外国株式インデックスファンドを、
100万円分ポーンと一括購入する場合と、
毎月2万円ずつ50ヶ月にわたって積み立て投資する場合では、

「買っている商品」は同じですが
まったく違った投資スタイルとなります。
(もちろんリターンも異なりますね。)

 

それは、

毎月2万円ずつ
つみたて投資をするにしても、

「ピクテ新興国インカム株式ファンド」(毎月決算型)を積み立てるのか、「ニッセイ外国株式インデックスファンド」を積み立てるかで、まったく違った投資になるのと同じことです。

 

投資に関わる情報では、
『何がいい?何を買うべきか?』的情報は、もう巷に溢れていますが、
『どのようにお金を入れるべきか?』的なものは、まだまだ情報量が少ないのが現状です。

 

(※余談ですが、わたしが不動産投資をしない理由のひとつは、実物資産である不動産では、つみたて投資の選択肢がなく、一括でお金を入れるしかないためです)

 

はっきり言ってしまうと、

「その金融商品の価格が上がる。
⇒ あなたの成績がプラスになる。」

という常識を、
つみたて投資は覆しています。

 

なぜならつみたて投資では、金融商品の価格が下がることで、
将来のリターンに貢献する『口数』を積み上げることになるためです。

 

 

たとえば1億円の資金で
一括投資をするというのは、

まるでオリンピックでの
1回限りの『演技』のように、

 

その投資対象を、
いつ、
いくらの価格で買ったかが
すべて、になります。
(伝わっていますね?)
たったひとつの『始点』で、
投資の仕込みが
決定してしまうということ・・。

 

(だから「いつ買うか」が大事なのです!)

 

ところがつみたて投資では最初から、
仕込みの『始点』を限りなく分散させています。

毎月お金を入れ続けるので、
いつ、
いくらの価格で買ったのかは「重要」ではなくなるわけです。

 

仮に20年のつみたてなら、
20年という年月をかけて、
「いくらの価格で買ったか」を決定していくためです。← とても壮大なモノゴト構築作業と思いませんか?

 

 

つみたて投資を始めるあなたは、
今のダウ平均の数字を知らなくても大丈夫です。
FRBがいつテーパリング(量的緩和の縮小)着手を発表するかも、知らなくてぜんぜん大丈夫です。

「つみたて投資」は少なくとも、
数年~5年程度で繰り返される
「中期のアップダウン」「うねり」の中で捉えられるべき投資なのです。

 

そして、20年のつみたて期間中では、
その「中期のアップダウン」が
何度も何度も繰り返されることになります。

仮に、
つみたて期間の前半で、

下がる、下がる、上がる、下がる、下がる、
というふうに、

『下がる局面』を多く経験できたら、
わたしはとてもラッキーなことだと思います。

なぜならとてもいい条件で
『投資の仕込み』が出来るからですね。

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