NISA活用法

「つみたてNISA 2021年は買付金額が1兆円超えか」(ニッセイ基礎研レポートより)

2021年8月17日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

本日はニッセイ基礎研究所のレポートから。
さらに活用が進む、つみたてNISA-2021年は買付金額が1兆円超えか
(金融研究部 前山裕亮さん)

つみたてNISAが出来てすでに3年半が経過しています。

超ビギナーの人が
このような「税制優遇制度」に気付き、
それを活用しようとするのは賢明なことですね。

 

しかし、
ビギナーであればこそ、

 

『口座』は開いたけれど、
〇 何を積み立てればよいか分からない。
〇 ほんとうに始めてしまってよいのか自信が持てない。

 

つまり解せない何かが心の中に存在することで、

・口座は開いた。
・でも投資信託の買い付けは出来ない・・

という人も『一定割合』いるようなのです。

上記レポートから引用してみましょう。

 

実際に2020年は買付が行われた口座数が
全体の口座数以上に増加し、
口座の利用状況も改善している[図表2:左]。

 

2018年、2019年は開設されている
口座の6割弱からしか買付が行われていなかったが、
2020年は7割弱と1割ほど増加した。

 

これは?
ちょっと『真逆の視点』から覗いてみますと・・

 

つまりは、

2018年と2019年は
『口座』は開設したけれど、
ファンドの買い付けをしなかった人が
『4割強』もいた、ということ。

そして少し改善した昨年(2020年)でも、
(口座は持っているが、)
買い付けはしなかった人が『3割強』はいたということに。

 

改めて、
リスク資産を買っていくということの「ハードルの高さ」を実感します。

そうは言いながらも、
裾野としての『口座数の増加』には勇気づけられる面もあります。

2019年末「つみたてNISA口座数」189万口座
2020年末    〃       302万口座 と、
約1.6倍になっています。

じゃあ『買い付け額』も1.6倍相当かというと、
そうではなく、

 

上記レポートによりますと、
2019年の1年間は買い付け金額は2,044億円。

2020年の1年間は4,639億円と、
およそ「2.3倍」にもなっています。

 

画像元:ニッセイ基礎研究所

口座数の増加率よりも
買い付け額の増え方が大きいわけは、
一人当たりの「買い付け金額」が増えたからに他なりません。

 

1口座あたりの平均買付金額
(買付なし口座を除外)が
2020年は23万円と2019年の19万円から増加している。

 

フム。なるほど・・。

特に、
2020年の10月から12月に
『買い付け金額』が急増したようなのですが、

 

なぜ2020年10月-12月に
買付金額が急増したのか分かりかねる部分もあるが、

 

前山さんも↑首を傾げている様子が伺えます。

 

 

レポート内で指摘されている通り、
つみたてNISAの枠は遡及して使用できないため、

2020年の枠を使わないと
「もったいない」という意識が働いたことは想像できます。

しかし、それだけではないでしょう。

 

2020年は
新型コロナウイルスが蔓延し始めた
まさに「歴史に残る年」です。

 

誰もが自分の『行動様式』を
無理やり変えさせられることになりました。
自分の仕事や、家族や、
自身のこれからの生活(人生)について
『再思考』を迫られる中で、
資産運用という行為が、
ほの暗い空間からぽっかり浮かび上がってきた。
これは隠しようのない「事実」であります。
(わたし自身、まったく予想していなかったことですが・・)

 

この行い(資産運用)が、
もしかすると
これからの自分に必要かもしれないと・・おそらく何十万人ものひとが、期せずして思い始めたのが、ちょど「去年のこと」だったのです。

 

 

つみたてNISA口座を特徴づけるのは
20代、30代の超ビギナーの人が多い。ということ。

それは臆病で慎重で、
恐る恐る「歩」を進める人が多いということであります。

 

たとえば『売却』に対してもそう。
??

(つみたてNISAで)「どうして売却なんてするの?」と
あなたは訝しがるかもしれませんが、
『投資信託との付き合いが浅ければ浅いほど(早く)売却したくなるものです。』

 

2020年のつみたてNISAからの
売却額は519億円であった。

 

年初残高3,069億円の
17%ほど売却が出たことになるが、
2019年も18%( = 売却額158億円/年初残高884億円)ほど売却されている。

 

2020年はコロナショックで市場が暴落したにも関わらず、
売却額の割合は19年と『変わらない』というのもたいへん興味深いです。

すなわち、ビギナーの人は
市場のアップダウンではなく、

『その投資信託を果たして持ち続けてよいのか?』という確証がないために、なかなか保有し続けられない「つらさ」を抱えているのではないでしょうか?

 

 

『我慢できずに』一度売ってしまう。

⇒そこから
「どうしてそうしたのか?」

⇒「なぜ早期に売ってしまうのが(特につみたてNISAでは)良くないのか?」
と、

現実を分析し、短期売却という行為から何かを学習できれば、わたしは早くに一度売ってしまうのも決して無駄だとは思いません。

 

何しろつみたてNISAは恐ろしく長い制度でありますから。
何度でもトライしてよいのですよ!

 

ニッセイ基礎研究所
さらに活用が進む、つみたてNISA-2021年は買付金額が1兆円超えか
(金融研究部 前山裕亮さん)

カテゴリ:NISA活用法

おすすめの記事