投資信託あれこれ

投資信託の移管キャンペーンほど強力な販促ツールはない?

2021年7月12日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

あなたは
野村證券で持っている9つの個別株式を売って、
SBI証券でインデックス・バランスファンドを購入することにしました。

このとき、
たとえば
野村證券で9つの個別株式を売ってしまうより、

9つの個別株式を
SBI証券に『移したあとに』、
株を売ったほうが
コストが安くなる場合があります。

これを株式の『口座移管』と呼びます。
(投資家にわりと頻繁に利用されています)

 

 

自分が持っている個別株をそのまま「ごっそり」
別の証券会社に移すことが出来るのです。

 

 

(ただし『口座移管』には一銘柄につき所定の手数料がかかるため「損得」の見極めには注意が必要。)

株式の『口座移管』が頻繁に利用されるのは、

 

「野村證券も楽天証券も、
扱っている株式が基本同じだからです」

 

 

いっぽう投資信託は少し気色が違うでしょう。

「A証券、B証券、C銀行で扱っている投資信託は、必ずしも同じではありません。」
よって、投資信託の移管がしたくても出来ないケースもあります。

 

〇 投資信託の『移管』とは、
たとえばA証券からC証券に
保有する投資信託を移すことを指します。

 

この場合、A証券で保有するファンドを、
C証券でも取り扱っていることが条件となります。

 

 

また「移管」の手続きは、現にファンドを保有する「A証券」に対して行います。
(ただし移管には一ファンドにつき所定の手数料がかかるため注意が必要です)

 

ところで私たち消費者には
「窓口の金融機関を変えてしまいたい!」という潜在ニーズが常にありますね。

 

これって
どこのドラッグストアに行くのか、
どこの携帯電話会社を選ぶのかと同じ理屈です。

 

 

あなたは
あなたが満足いく窓口で、
投資信託を持ち続けたいと願っているはず。

 

もことんさんが
投資信託の移管が完了しました。」という記事を書いておられますが、
準備さえしっかりすれば、
投資信託の移管は(実は)驚くほどスムーズです。

そしてよくよく考えてみると、
この投資信託の『移管』は、
消費者にとって「切り札」となり得るのです。

 

たとえば、です。

もともとマネックス証券で特定口座を開き、
ファンドを5本 1000万円相当持っていたあなたが、
たまたまイデコ(iDeCo)の口座をSBI証券にしたため、

 

「なんかさぁ、マネックスは
投資信託の定期売却サービス始めそうにないなぁ。
もしマネックスがサービス向上で頑張ってくれないなら、
特定口座もいっそSBI証券に移しちゃおうかな」

 

という気持ちになりかけている・・

ってことはあり得ますよね?

 

 

銀行や証券会社側から見れば、

消費者が『投資信託の移管』というカードを切るかもしれないと思うだけで、もうサービス充実に向けてチカラの入れ方が違ってくるはずです。

 

 

1.私たち消費者は常に
投資信託の移管をちらつかせましょう。
2.銀行や証券会社は常に
投資信託の移管を健全な危機感として捉えましょう。
3.そして銀行や証券会社にとって
投資信託を移管してくれれば、
それは大きなビジネスチャンスとなるはず・・。

 

この3.のところを深堀りすれば、
もっと「投資信託の移管キャンペーン」なりが頻繁に実施され、かつ大いに盛り上がってもよいとわたしなど思うのですが・・。

 

たしかに過去には、
「我が社に投資信託を移していただくと・・」的に、

『投資信託の移管キャンペーン』として、
SBI証券松井証券が、

移管元で支払った、移管のための手数料を還元したり、

フィデリティ証券現金をプレゼントしたりという動きはありました。

 

 

が、イマイチ盛り上がりに欠けているのです。

 

投資信託が日常的な商品になりかけている今、
各社は新規口座の獲得に傾注していますが、

 

既存の投資家から
投資信託そのものを移管してもらえば、
預かり資産残高が一挙に増えるわけで、
この収益上のインパクトは新規口座獲得の比ではありません。

 

そういえばあなたは、
イデコ(iDeCo)やつみたてNISAを始める際、

窓口となる『金融機関』を真剣に選びませんでしたか?

 

 

こと特定口座(課税口座)の窓口についても、
今一度、悩み直してみる価値はありそうです。

 

あなたが、
もっとも満足のいく窓口で
あなたの投資信託を保有することは、あなたの『権利』なのです。

 

最後に、基本イデコ(iDeCo)、つみたてNISA、特定口座の窓口は「ひとつ」にまとめてあげたほうが、シンプルな資産管理となり、投資が続けやすくなりますよ。

あなた自身がお楽になるのです!

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