リスクをめぐる冒険(臆病さ、大胆さ、どちらも必要なのです)
2021年6月29日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
リスク、リスク、リスク。
リスクとはなんとも不思議なものです。
投資を行う者にとっては、
眼の上の「たんこぶ」みたいなもので、
常にその存在を意識せざるを得ません。
リスクが好きな人っていますか?
よくリスク =「危険」と解されますが、
じゃあリスクがなければ「安全」かというと、それもちょっと違う気がします。
これはたいへん心地良いものですが、
いっぽうであなたの『衰退』が静かに始まってしまいます。
人の歩みを振り返ると、
リスク = 未知の、不確定の事象
に対処してきた歴史と云えます。
(リスクは「危険」という意味ではありません)
未知の、不確定な事象を感じるためには、
あなたは
神経質で臆病で、怖がりである必要があります(笑)
これがリスクを察知する「特性」なのです。
いっぽうリスクの発見後は、
その未知の、不確定な事象に対して、
向こう見ずに、
六分の好奇心と四分の冒険心に駆られて、
(半ばノリで)リスクに立ち向かうマインドが必要。
たとえば、ですが、
最初にウニを食べた人間なんて、絶対にヘンな奴だったと思いませんか?
(つまりリスクと共存するためには、
心配性な面と、向こう見ずな面と両方必要なのです)
さて、
何万回とリスクを発見し、
何万回とリスクに対処するうちに、
人は定量的にリスクを評価できるようになりました。
これって資産運用の世界も同じです。
リスク = 価格(価値)変動の振れ幅と捉え、
それをなんとか「数字」で把握しようとしました。
たとえばこんな例。
画像元:アセットマネジメントOne
上記図表では、
『リスク17.8%』と記されていますが、
これは、
上記ポートフォリオを持ち続けていたら、
過去、運用資産の損益がどのくらいの大きさでブレてきたか、
その『ブレ幅の大きさ』の平均を数字で表しているわけです。
ブレ幅の大きさって、
「なんとなくこれくらい。」ではダメですから!
その、ブレ幅を計る【物差し】のことを 標準偏差 と呼びます。
ひょうじゅん・へんさ?
ハイ。
上記図表の
17.8%とはいわゆる「1標準偏差」のこと・・。
詳細は次回記事に委ねますが、
私たちの先人、つまりは先輩投資家は、
リスクを定量化し数字で把握することで、
より合理的にリスクを取れるようになったわけです。
カテゴリ:投資の発想法