つみたて投資, バランスファンド

55歳から丸10年かけて、預貯金50:バランスファンド50にシフトさせる方法

2021年6月13日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

アクセルは踏むより、緩めるほうが難しいもの。

 

現役時代は
資産を増やすという目的に向け、
ひたすらクルマを走らせてきました。

が、リタイアという標(しるべ)は「○○歳」と、
決まった地点でそびえています。

そこに向け、これから少しずつアクセルを緩め、
車線を逸れないことを優先していくって果たして出来ますか?

(正直、けっこう高度なテクニックです)

 

 

セカンドライフに入っても、
あなたが思うよりうんと長く、資産運用という旅は続きます。

しかし、
あなたは同じクルマに乗りながらも、
『運転姿勢』を改める必要があるのです。

 

そのうちお仕事からの定期収入はなくなり、
体は衰え、
思考のリズムも緩やかになっていくのは確実ですから。

 

 

運転姿勢の変え方はとてもシンプルです。

「Xデー」(定年退職)に向け、
背中に背負うリスク量を規則的に減らしていくのです。

たとえば一例ですが、

これまでずっと
預貯金20:バランスファンド80でアグレッシブに運用してきた田中さん(仮名)が、

55歳になったのを機に、10年ほどをかけて、預貯金50:バランスファンド50にシフトさせるとしましょう。

『3つのステップ』を想起してみます。

 

第一ステップ)

 

田中さんは55歳から
毎月の「つみたて投資」の金額を減らします。

結果、毎月残るお金のうち
預貯金の割合が増します。

 

第二ステップ)

 

田中さんは60歳の誕生日を迎え、
「つみたて投資」そのものを止めることにしました。

つみたて金額が「ゼロ」になると、
毎月残るお金のすべてが「預貯金」に回ることになります。

これを続ければ、資産ベースでも少しずつ、
「預貯金の割合」が増していきます。

 

第三ステップ)

 

60歳から65歳までの5年間で、
規則的にバランスファンドを解約していきます。

えっ!と驚かれるかもしれませんが、
あくまで『全体図』で見て
預貯金50:バランスファンド50に辿り着くためです。

 

 

このようなプロセスを経ることで65歳(リタイア)時に、
トータル資産の比率を、
預貯金50:バランスファンド50にシフトさせることが可能です。

 

別に投資信託の『資産配分』の変更にこだわらなくても、トータル資産から見たバランスファンドの『比率』を変えることで、背中に背負うリスク量はコントロールできるのです。

 

今の田中さんの例では、
定年退職という「一大イベント」が地点として定まっているため、

金融市場のアップダウンに関わらず、
5年~10年前から、規則的かつ断続的に、
『増やすモード』から『大きく減らさないモード』に、自身の運用を変遷させます。

 

その心は?
アクセルを踏む、から、アクセルを緩める、への転換です!

 

 

上記の場合
セカンドライフに入っても、
『預貯金50:バランスファンド50』は堅持します。現役時代より、リタイア後のほうが「リスク管理」がより重要になるためです。

言い方を変えると、
50:50を保つために
年に一度『リ・バランス』が必要になるということ。

 

リスク資産に過剰に投資を行うことを防ぎ、
また、預貯金(安全資産)が増えすぎるのを防ぐために、長期でメンテナンス(資産管理)し続ける・・。これこそ「規律」でしょう。

 

セカンドライフでは、
年に一度の『リ・バランス』のついでに、

上記例でいえば、預貯金からも、バランスファンドからも、
定期的な「取り崩し」を行うのです。

 

65歳から95歳までで(年に1度でも)
30回、リ・バランスを兼ねた資産の取り崩しを行うことになります。

資産運用の旅はとてつもなく長いのです。

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