毎月のつみたて金額の中で『リ・バランス』しようとしていませんか?
2021年5月23日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
運用相談を行っていますと、
毎月のつみたて金額の中で
『リ・バランス』をしようとする人が多いことに気付きます。
あっ、上記の意味
伝わっていますか?
あなたは毎月5万円でつみたて投資を行っています。
毎月の『掛け金』の割合は、
日本株式40%
先進国株式60% としましょう。
つまり?
先進国株式 60%
※ポートフォリオとは、
あなたの資産の振り分け方の「基本方針」とお考えください)
時は流れ、あっという間に5年が経ちました。
頑張ってつみたて投資を続けたあなたの資産は、
なんと600万円にまで増えています!
そして、資産の内訳を見てみると、
日本株式に比べ
先進国株式の伸びが顕著であったためか、
600万円の資産の内訳は、
日本株式 29%
先進国株式 71%
に変化しています。
「ん?」あなたはふと思いました。
リ・バランスというものをしないと。
日本株式40%、先進国株式60%なのだから、
そこに戻すために、
いや、何なら当面は、日本株式のみを積み立てしようか。」
フム。
お気持ちはすごく分かります。
毎月のつみたての『配分割合』を変えることで、
600万円の資産の内訳を元に戻そうという試みですね。
でも、です。
もうかなりご資産が大きくなっていますよ。
すぐにはもとの『資産の割合』には戻りません。
現状、600万円の内訳は、
日本株式 174万円 29%
先進国株式 426万円 71%
になっていますから・・。
本来の「目標ポートフォリオ」は?
600万円
日本株式 240万円 40%
先進国株式 360万円 60% です。
・・日本株式は66万円も足りません。
これから毎月5万円のつみたてを
10ヵ月続けてすべて日本株式に充てたとしても、
日本株式は「50万円」の上乗せに過ぎません。
(ほんらいの資産割合(40%)には届きません・・)
それに、その10か月の間に、
先進国株式も日本株式もさらに価格が変動しますから、
資産ベースで
日本株式40%
先進国株式60% に戻すのは(思っているよりも)困難な作業なのです。
結論から先に言えば、
ある程度のご資産額になれば
(おおむね「500万円程度」)
『リ・バランス』に関しては、
⇒ 毎月のつみたての
「配分割合」を変える必要はなく、
⇒ 積み上がった資産ベースで見て、
ズレた割合を『一気に、一度に』リ・バランスすべきと考えます。
ハイ、そうです。
先ほどの例で云えば、先進国株式を資産ベースで11%分売って、戻ってきたお金で、日本株式を11%分買い増しするわけです。
何となく不安に感じるかもしれませんが、
なにも冒険してリスクを取りに行くわけではありません。
ほんらいの姿(資産配分)
あるべき『基本方針』に、戻すだけなのです。
年に一度、月を決めて(できれば日にちも決めて)
「リ・バランス」を
誕生日や結婚記念日と同じように、1年1度のイベントと規定してあげてください。
当クリニックのお客様の中には
年に一度の「リ・バランス」を心待ちにする人がたくさんおられますよ。
なぜなら、
大っぴらに
投資信託を「売って」「買って」を出来る日だからですw
カテゴリ:ポートフォリオ運用