ポートフォリオ運用

長期保有しながら、定期的にトレードする

2021年5月17日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

ポートフォリオ運用の実態とは、

 

1.長期保有を続けながら、
2.定期的にトレードすることです。

 

それ以上でも、それ以下でもありません。

 

ところで、投資の業界用語として
「損切り」「利確」という言葉があります。

損切りとは、
マイナスになった投資対象を
一定のルールのもと、売却して損失を確定させること。

利確=利益確定 とは
プラスになった投資対象を、
一定のルールのもと、
売却して利益を確定させることを指します。


これらの行為は、

投資を「点」で捉えていた頃には
たしかに『存在』していました。

しかし、ポートフォリオ運用=「面」で捉える運用を行うあなたには、関係のない行為です。

「えっ!?」

 

インデックスファンドを用いた
世界分散投資は、

投資対象をただ盲目的に持ち続け、
誤解を恐れずにいれば、

いい加減に、鈍感に、
別に『投資』に熱意や興味を抱き続けるわけでもなく、

 

 

同じ場所で、単に立ち続けるだけ・・。

一見すると、
このポートフォリオ運用は
『植物観察映画』みたいなところがあります。

(誰かが面白いことを言うわけでもなく、
劇的な事件が起こるわけでもなく、無味乾燥に時は進む・・)

 

とは言え、
マーケットのほうは気まぐれに動きます。

大きく「くしゃみ」をしたり、のたうち回ったり
30時間も40時間も眠らずにひたすら遊びまわったりします。

今の金融市場は明らかに「遊び回っている」ほうで、
階段を駆け上る高揚から、羽根のベッドで眠るような陶酔へと、

つまりは
バブル的な様相へとその姿を変えつつあるとわたしは感じています。

 

「だからカンさん。利確でしょ!」

いいえ、違うのです。

「面」で運用を行っているだけですから、

 

割合が大きくなってしまった分だけ、
あなたはリスク資産を『売る』のです。

 

ただし『売る』ことそのものが目的ではなく、
売った分のお金は、
逆に割合が小さくなった資産を購入することに回します。

 

シンプルに申し上げれば、
預貯金40:投資信託60 の基本配分の人が、

バブル的様相の中、
預貯金30:投資信託70 というふうに
『基本比率』が変わっていれば、

10%分だけ、投資信託を売って、
預金にその10%分のお金を入れてあげる・・。

 

ハイ、ポートフォリオ運用といえど、
立派に売ったり、買ったりという『トレード』は行うわけです。

 

ただし、それは「損切り」でも「利確」でもなく、
単に、預貯金40:投資信託60に戻してあげる作業です。
これを世の中では『リ・バランス』と云います。

 

 

先日の記事でご紹介した長尾さん(仮名)は
もう20年、年に2回、リ・バランスを繰り返しています。

つまりは計40回、
価格が上がったファンドを売って、
価格が下がったファンドを買い増す「機会」があったことになります。

<まさに長期保有しながら、定期的にトレードするのです・・>

 

ほんとうは売りたいのに、
自分の気持ちが邪魔をして売れない、という人は、

これは単に「リ・バランス」なんだと
ご自身を納得させれば、案外スムーズに売って買ってが出来ますよ。

当クリニックでは
この5月、6月を『リバランス強化月間』と位置付けています。

カテゴリ:ポートフォリオ運用

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