確定拠出年金(iDeCo・企業型)

iDeCo拠出額6万円、うち所得控除額3万円でも別に構わないと思いませんか?

2021年5月7日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

iDeCoで拠出できる掛け金には
そもそも「限度額」があります。

たとえばあなたが会社員で、
お勤めの会社に企業年金などの制度がなければ、
(かつ企業型の確定拠出年金もなければ)

毎月の拠出限度額は 2.3万円 になります。

拠出限度額はあるものの、
掛け金すべてが『所得控除』の対象となるため、

「iDeCoってメリットがあってイイよね」となるわけです。

つまり?

 

つまり私たちは無意識に、
拠出の限度額 = 所得控除の対象金額 と思い込んでいます。

 

「思い込んでいる?」

ハイ。

一度頭の中を真っ白にしてみましょう。

 

別に
あれです、

・・・・
仮に
所得控除の金額を超えて、
iDeCoの『拠出限度額』が設定されても、

構わないと
思いませんか?

 

民間の生保会社の『個人年金保険』とか、そうですよ。

 

たとえば年間8万円以上の保険料になる場合ですが、
「個人年金保険」において
控除の対象となる金額は年間4万円のみ(所得税分)です。

 

どうしてこういうお話をするかというと、

iDeCoのほんらい的な意義というものを、
あなたとわたしで
ゼロベースで探ってみたいからです。

 

 

iDeCoとはほんらい、
将来の退職金が乏しい人に向けた
『自分年金づくり』のインフラであり、

所得控除は
iDeCoを続けるインセンティブのひとつに過ぎません。

 

ところで、
将来の退職金が乏しいとは?
(どういう意味?)

 

退職金とは『給与の後払い』のことです。

ひとつの会社に
長く勤めるというケースがほとんどだった時代は、うまく機能していました。

しかし、今年30歳のあなたにとって、
退職金という概念は親世代の「遺物」に過ぎません。

 

 

 

〇 社会が大きく変動するの中で、
〇 あなた自身が、
たとえば、
A会社→自営→起業→C会社 のように、
自身のキャリアを「くねりながら」「柔軟に」「転々と」していく可能性がありますし、
〇 企業のほうも、
できるだけ身軽に、
今の売り上げから今の人件費を支払う方向にシフトしたく、
退職金のような「未払い債務」を抱えるのは(もう)御免こうむりたいのです。

 

つまり、

所得控除の対象金額を超えて、
iDeCoの拠出限度額を設定することは、

・働き手にとっても
・企業側にとっても
・行政にとっても

理に適ったシステムだと思うのです。

 

あっ、これはわたしの考えではありません。

浦田春河さんのアイデアです。

 

「えっ、浦田さんって誰ですか?」
フィデリティ投信の、
ヘッド オブ DCプロポジション&ソートリーダーシップ
の方です。

 

今回の記事は以下コラムを参照しています。

フィデリティ投信
【DCコラム Vol.15】確定拠出年金誕生20周年にあたり

画像元:フィデリティ投信

このコラムシリーズでは、
制度としての確定拠出年金の根幹部分を捉えながら、
骨太の提言をされています。

 

また、以下『提言書』の中では、
より具体的に浦田さんの記述が見られます。

確定拠出年金 制度改革提言書 ~私的年金の実装に向けて~』(PDFファイル)

上記提言書『第3章 拠出限度額 ≠ 税優遇の限度額』より、
引用させていただきます。

 

個人型DCにおいては、たとえば、
DBも企業型DCもない
企業で働いているサラリーマンは、
年間27万6,000円(月2万3,000円)まで本人の収入から拠出ができ、

 

その額を所得税・住民税計算上、所得控除し、所得税・住民税を減らすことができる。これが個人としての税メリットである。

 

DCへの拠出金には、このようにもれなく税優遇がついてくる。
税優遇は大盤振る舞いできない。
国や自治体の収入が減ってしまうからだ。ここまでは道理だ。

 

しかし、拠出できる金額が税優遇の金額とイコールであるとされると、拠出額まで小さくなってしまう。

 

もうちょっと出したいと考える事業主、個人はどうしたらいいのか。

税優遇はなくてもいいから、出すことは許されるのか。答えはノーである。
しかし、それを禁じる合理的理由は見当たらない。

 

フム。

「iDeCo加入者に
税優遇はなくてもいいから、
もっと掛け金を出すことが許されるべきではないか。」という主張に、わたしは賛同します。

 

さらに云えば、
企業型の確定拠出年金がない会社員(=iDeCo加入者)にこそ、

雇用主が一定割合、
従業員のために掛け金を拠出する、
『マッチング拠出』が導入されるべきでしょう。

(確定拠出年金という枠組みは、まだまだ発展途上なのです)

 

大局を捉えた提言です。ぜひご一読を!

フィデリティ投信
【DCコラム Vol.15】確定拠出年金誕生20周年にあたり

 

カテゴリ:確定拠出年金(iDeCo・企業型)

おすすめの記事