100年ライフプラン

お金を増やすとは、お金を使う「宿題」を積み上げていく作業なのです

2021年4月30日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

(実は)あなたが思っている以上に、
資産運用というのは息が長い作業です。

 

「カンさん。分かってますよ。
長期的にコツコツお金を増やすでしょ?」

 

いいえ、それだけでは不十分なのです。

「えっ?」

あのー、
登山って
山の頂上に登るまでのことを指しますか?

 

 

違いますよね。

正確には、
下山するまでを含めて『登山』です。

投資信託クリニックでは、
資産運用という行為をより長く、より広げて解釈しています。

 

つまり、

 

長期でコツコツ資産を増やし、
その後、その資産を計画的に解約し、
実際に解約したお金を使っていく中で
自身のお金の使い方を賞味しながら、
どの程度満足だったかという確認とともに、
あなたの資産運用は(ようやく)コンプリートするのです。

 

なんと・・。

 

 

実はお金を増やすことは、
資産運用の『半分』くらいしか指し示していません。

 

またお金を増やすとは、
俯瞰すれば
お金を『使う』宿題を積み上げていく作業に他なりません。

 

「宿題?」

はい。

 

たとえば、
48歳で3800万円の資産を持つ鈴木さんは
まだまだお金が足りないと感じています。

このまま積み立てを続ければ、
65歳時に6000万円ほどの資産になるとしましょう。

運用をコツコツ続ける鈴木さんの姿勢は
素晴らしいと思います。

 

が、そのいっぽうで
万一、本当にやりたいことを我慢している鈴木さんがそこに居るとしたら?

 

「えっ?」

あなたは、

 

『65歳時に、6000万円の保有資産になるのだから、そのときに「やりたいこと」をやればいい』と思いますか?

 

仮に48歳時点で鈴木さんが
そのやりたいことを実現するために、
諸々含めて2000万円ほど費用がかかるとしたら、

65歳まで待って、
6000万円の資産になってから、
2000万円を使ったほうが余裕があるような気がしますか?

 

(でも、)ホントにそうなのでしょうか?

 

 

「どうしてFPの人がそんなこと言うの!?」と意外に思われるかもしれません。

 

が、
お金の効用というものは、
正確にいえば、
そのお金に【どれくらい使いがいがあるのか】は、
あなたが置かれている状況、
あなたの年齢によって変わってしまいます。

 

鈴木さんが今(48歳)したいと思っていることは、
まさに今だからこそ、
『使いがいがあるお金』なのかもしれません。

5年経ってしまえば、
周りの状況も変わり、
鈴木さん自身の心境も変わっている可能性があります。

 

これは、わたしの職業病かもしれませんが、

 

わたし自身がお金を増やすということを日夜考えており、ときに『お金を増やすこと』プラス『その方法論』が、自分の中で目的化していると感じることがあります。

 

もちろん老後のことは大切です。
計画性を持って長期で資産を積み上げる姿勢もたいへん重要です。

 

しかし、
お金を増やすことは所詮、手段に過ぎないのです・・。

 

資産運用の真の目的は、
その投資信託をいつか解約して、
あなたが必要としているモノ、コトに
そのお金を用いてあげることであるはず。
(※この『用いる』の中には、贈与、寄付なども含まれます)

 

 

失礼ながら、今からちょっと
あなたの人生を一瞥させてください。

ハイ、94年の人生でした。

「幸せな一生でした。」

でも結局、お金が6800万円残りました。

ここ、ちょっと考えてみてください。

 

お金が余ってしまう人生とは、
本当はもっとあなたが必要とするモノ、コトにお金が使えたのに、それらに十分お金を使えないまま、
(換言すれば、十分な経験をしないまま、)
一生を終える。ということでもあるわけです。

 

資産運用に邁進するあまり、
この『お金を使う』という目的が希薄化してしまえば、ちょっと滑稽な姿になりかねません。

 

わたしは今年、この本を読んで、
個人のファイナンシャルプランニングという分野が、いまだ発展途上であることを再認識しました。

『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』


 

同書では、
『加齢とともにお金の価値は下がっていく』と喝破しています。

より詳述すれば、
同じ2000万円でも、
38歳と48歳と68歳と78歳では、

そのお金をどんなことに使えるのかという『間口の広さ』が違い、お金を使うことによって生み出される価値も変わってしまう、という事実です。

 

 

48歳の鈴木さんが3800万円の資産を持ち、
そのとき、
やりたいことを実現するために、
2000万円の費用がかかるとしたら、

以前のわたしなら、

「止めたほうがいいのでは」
「もう少し資産が積み上がってからでもよいのでは」と、
アドバイスしていたかもしれません。

が、今のわたしなら、
「それもアリですよ」とお答えします。

 

人生の節目において
お金を有意義に使うために『資産運用』は存在すると、真に思うためです。

 

たとえ残りの資産が1800万円になっても、
引き続きつみたてを続ければよいわけですし、
より長く仕事を続けることで、
セカンドライフの青写真を再度描き直すことも可能です。

わたしはずっと
資産とはワインのように熟成させるものだと思ってきましたが、資産には生鮮食料品の一面もあるのですね。

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