お金の摩訶不思議

お金を用いる → 貯める → 増やす → 育てる → 還す? その3)

2021年4月20日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

「儲ける!」という
人のギラギラした欲は
決して褒められたものではないと、あなたは思いますか?

 

 

でも、
儲ける!儲ける!儲ける!

この気持ちがなければ、

より良いサービスを生み出し、革新し、改良するというインセンティブは決して生まれてこなかったでしょう。

儲ける!は良いことなのです。

 

投資における「増やしたい!」
この『儲ける!』に似ています。

 

お金を増やしたい!増やしたい!という『欲』が幾重にも折り重なって、また洗練され、株式市場はここまで発展してきました(そして投資家であるあなたは、その恩恵を受けているはずです。)

 

お金を増やしたい!と思えるのは、
手元にいくばくかのお金が在るからで、
それは人が(それだけ)豊かになった証拠ですね。

 

では『お金を育てる』とは?

ちょっとニュアンスが異なります。

 

あなたは自身で資産運用を行っていますが、
今【どちらのお気持ち】がより強いですか?
増やす! or  育てる!

 

 

史的な時間軸で見れば、
多くの人がお金を『増やそう!』と思わないと、
決して『お金を育てる』マインドにはたどり着けません。

 

お金を『増やす』は、

「自分の欲に任せて、
短期間に資産価値を増大させようとする行為」ですから、

そこから跳躍して、

 

自分の欲をコントロールする『自制心』を持ちながら、
自身のライフを物差しに、
長期的な時間軸を持って
資産を形成していく行為・・。

 

それが・・『お金を育てる』なのです。

ハードル高そう?

でも明らかに「オトナの振舞い」ですね。

 

 

かつて証券会社で扱う商品の主人公は株(かぶ)でした。

これから上がる銘柄を教えてあげますからね、
という上から目線で、
ひたすら投資家の射幸心を煽っていたわけです。

(そして、取引は短期になりがち。)

今は世界中で、
株よりも『投資信託』という商品を選ぶ人が増えています。

 

投信の隆盛は
お金を「増やす」から『育てる』に、
少なからぬ人が『移行』している証しでもあります。

 

まあ、別に
ハラハラどきどきが好きな人ばかりではないわけです。

経済成長が一定レベルを超え、
お金に関心を寄せる人が増えれば増えるほど、
お金を『育てる』に勤しむ人もまた増えてくるわけです。

 

 

ちょっと想像してみてください。

お金を増やすは、
(そのお金を)自分のためだけに使うイメージです。

お金を育てる、も、
最終自分だけのために使うのでしょうか?

あなたはどうでしょう?

 

もしあなたが亡くなって
そのときにお金が残っていたら、
そのお金はどうなりますか?

 

相続人に引き継がれます。

 

あるいは、もっと自覚的に、
○○に引き継いで欲しいと、
遺言で明示することも出来ます。

 

お金を育てるという行為の中には
自分だけではない、
(最終)誰かのために・・という
コップ一杯分の気持ちが含まれているのではないか?とわたしは感じます。

 

お金を育てるを、1センチだけ前に押し進めれば、
それは、
なにか<社会的な意味付け>につながるのかもしれません。

 

わたしは第1回目の記事で、

 

「お金は、その価値が上がったり下がったりしながらも、
人の何倍もの間、生き続けることが可能です。」

と述べました。

 

お金が人の何倍もの間、生きるためには、

そのお金が、
あなたの役に立つのと同時に、
世の中の役に立つ必要があります。

ワタシはいつか死にますが、
世の中は死んだりしませんからね。

結果、あなたの『お金』はより長く生かされるわけです。

 

 

そう、
お金を育てるの発展形は・・『お金を還す(かえす)』なのです。

 

〇 お金を用いる → 貯める → 増やす → 育てる → 還す。
(社会や身近な人にお金を『還す』ことで、
お金はどんどん根太くなり、うんと長生きすることになります。)

 

わたしは仕事柄(運用相談)、
この、お金を還すにまで至った人を何人か知っています。

その方達は、とても穏やかな目をしていましたよ(^^)

 

<今日のお話は、3回にわたるシリーズ記事内の1本です。>

カテゴリ:お金の摩訶不思議

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