インデックス投資全般

「eMAXIS Slim 全世界株式」と「eMAXIS Slim バランス」を混ぜご飯してみよう

2021年4月10日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

投資信託の保有のしかたは実にさまざまです。

ただし銘柄の分散、国地域の分散
資産の分散、
そして投資時期の分散(つみたて)を徹底すれば、

リスク・リターンの特性に
そんなに大きな差が生じるとは思いません。


わたしが運用相談を通じて日々感じるのは、
『投資信託を選び切る難しさ』です。

たとえばこんな一例。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は株式100%ですから、当然背中に背負うリスクは大きくなります。


昨年3月の『コロナショック時』には
30数パーセントのマイナスになりました。

それとの対比で言えば、

「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は債券を37.5パーセント有しており、全世界株式に比べてリスクは小さくなります。


それでも『コロナショック時』には
21パーセント程度のマイナスになりました。
(REIT(リート)が株式以上に下がったためです。)

 



ある運用者がこんなことを吐露したとしましょう。

『全世界株式』は(自分には)リスクが高すぎる!
でも『8資産均等型』だと、自分が許容できるリスクの大きさには至っていないんだな・・。


フム。なんとも微妙な感覚ですね。


こういう場合はシンプルに
ふたつのファンドを『混ぜご飯』すればよいと思います。

 




資産管理に100%完璧はありませんが、それでも私たちは「この資産配分がワタシにちょうどフィットしている!」という肌感覚が欲しいものなのです。


さっそく、
「eMAXIS Slim 全世界株式」と
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」を『半分ずつ』組み合わせてみましょう。


最初にお断りしておきますが、
この「混ぜご飯」=合成ポートフォリオ

株式の組み入れが68.75%
リートの組み入れは12.5%
そして残りの18.75%のみが債券となり、

けっこう「ハイリスク型」のポートフォリオとなります。
『リスクの許容度』が十分に高い人向けになることをどうかお忘れなく!

 

 

まずは「株式」を見ていきみましょう。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の3月末現在の月報を見ますと、

国地域別の割合は
以下のようになっています。




※ この数字は随時変遷します)

画像元:「月報」eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)


いっぽう「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」の形は?

 

ですから、

そのうち『株式の内訳』は?

国内株式   12.5%
先進国株式  12.5%
新興国株式  12.5% となります。


ふたつのファンドの『株式』を「半分」ずつ混ぜると、合成ポートフォリオから見た数字は・・

株式の割合 68.75%)

うち、
国内株式  9.55%
先進国株式 46.4%
新興国株式 12.8%

となります。



また、当該合成ポートフォリオの「円建て資産」はおよそ22.05%となります。

(8資産均等型そのものの円建て資産は37.5%ありますが、全世界株式の円建て資産は6.6%しかないため。)




 

ところで、この「混ぜご飯」は応用展開することも可能です。

具体例 その1)

『つみたてNISA』と『iDeCo』を同額で積み立てる場合

 

例)SBI証券:つみたてNISA
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」

SBI証券:iDeCo
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」

 


具体例 その2)

『特定口座』と『つみたてNISA』を組み合わせる。
ただし、特定口座への投資額のほうが多いケース。

例)楽天証券:特定口座

1/2「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
1/2「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」

例)楽天証券:つみたてNISA

1/2「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
1/2「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」


上記では、
ふたつの窓口で(あえて)『同じポートフォリオ』を作っています。


いかがでしょう。
1/2ずつの混ぜご飯は「単純な足し算」に終始するため、資産管理がシンプルになります。

ただし、くれぐれも、
「eMAXIS Slim 全世界株式」プラス「eMAXIS Slim バランス」プラス「eMAXIS Slim 米国株式」・・のように、保有ファンドが3つ、4つになってしまわないようご注意を。


『何を』『何パーセント』ずつ持っているか分からなくなってしまいますから!

カテゴリ:インデックス投資全般

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