金融機関にモノ申す

バンガードの『Vanguard Personal Advisor Services』ってなに?

2021年3月17日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

まずは、ウェルスナビのお話です。
いわゆる『ロボアドバイザー』の会社です。

いくつかの質問に答えることで
あなたの資産配分(ポートフォリオ)が決定し、
投資する金額を指定すると・・あとはすべてお任せ運用。


専門用語的には
あなたはウェルスナビと「投資一任契約」を結ぶことになります。
投資一任 = 全部お任せ!


ウェルスナビが行っていることは投資運用業
つまりは運用会社に近いのですが、

誰も「ウェルスナビ投信」とか、
「ウェルスナビ・アセットマネジメント」とは言いません。

『それってなぜ?』

ウェルスナビ自体は
投資信託やETFという商品を作っているわけではないから・・。


『じゃあ、ウェルスナビは「何をやる」会社なの?』

ウェルスナビは道具として『ETF』を利用し、
あなたの『運用管理』(メンテナンス業)を行う会社なのです。

運用メンテナンス業!


いっぽう、伝統的な運用会社、
ニッセイアセットマネジメントや三菱UFJ国際投信などは、
自ら「投資信託」「ETF」などを作っています。

それに対し、ウェルスナビの仕事は
顧客の資産形成のための『管理業』なのです。


つまり?

つまり投信、ETFは利用する「材料」とみなしているわけです・・。

 

 

金融商品を作ること自体 商品を利用して適切な運用管理を行う

 

日本において、
個人の運用サービスが『次のステージ』に入ったと実感するのは、
たとえばウェルスナビを例に挙げると、

 

金融商品そのものの組成より、
適切な資産管理そのものに価値を置き始めた、という点です。
(そしてそれをユーザー側も認め、そこにお金を支払う人が増えているという事実。)

 


実はアメリカのバンガード社も、
個人の多様なニーズを見越し「運用メンテナンス業」でフィー(報酬)をもらうという、新たなサービスに取り組んでいます。

『えっ、バンガードって世界最大級の運用会社でしょ?
インデックスファンドやETFを作ってる・・』


はい。


でも同時にバンガードは、
超低コストの、自ら作るETFやファンドを「材料」として、
『運用のメンテナンス業』も行っているのです。



バンガードの「Vanguard Personal Advisor Services」を利用すれば、

バンガードのアドバイザーから、
ポートフォリオの構築や変更、
ライフプラン上のイベント、それにともなう出費へのアドバイスはもちろん、税制、相続など、フィナンシャルイシュー全般に渡るアドバイスを受けることができます。




その手数料は・・?

 

預かり資産の0.30%(年率)!

 



画像元:Vanguard


そう・・
バンガードのETFを利用する際の手数料
0.05%とか0.08%というコストより、

ずっと大きなフィー(報酬)を請求しているわけです。

つまり、そこ(運用メンテナンス業)に、
『潜在的なニーズ』があると踏んでいるわけです。

最後に、日本のIFAのビジネスは、上記事例とは異なっています。

なぜなら、
適切な運用管理を行うと謳ってはいますが、

その収入源は、
投資信託など金融商品そのものに課す「手数料」の一部を、
自らの収入(コミッション)として受け取っているためです。


自らのサービスに自負があるなら、きちんと別途、報酬(フィー)を受け取ってもよいのではとわたしは思います・・。

 

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