「ジュニアNISA」なのか「未成年口座」(課税口座)なのか?
2021年2月11日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
以下項目をまずはご覧ください。
1.お子さん用に、数百万円程度の資金の準備がある
(フロー型でコツコツ資金を積み立てるより、
現にストック型として、お子さん用のまとまった資金がある)
2.純粋に教育資金の準備として投資に回したい
(=15歳、ないし18歳時に全額取り崩し予定)
で、もしあるのであれば、
『ジュニアNISA』という入り口をメインに、
教育資金のための投資を行うのはアリだと思います。
ただしジュニアNISAでは、
今年を含め、22年、23年と
「あと3年」×80万円(年間)分しか、投資の枠はありません。
(したがって3年間にわたってしか、
『投資時期の分散』が出来ないことになります)
また、お金を入れられるのは一人当たり最大で「240万円」ですから、
ジュニアNISAのみで教育資金の準備が完結するわけではありません。
次に少し違う視点から・・・。
わたしは仕事柄、お子さんが成人されたあとの、
お子さん自身の資産運用について、
親御さんからたびたび質問を受けます。
この質問そのものが素晴らしいです!
私たちが教育資金の準備として、
ジュニアNISAや未成年口座の話を取り上げる場合、
それは教育資金だけではなく、
お子さんのための「末永い資産運用の話」もどこかに含んでいるのでは?
(そうではないですか?)
今、5歳や3歳の子どもさんのために「運用」を考えるのは、
それはすなわち、
『教育資金 プラス 本人の資産運用』とならないでしょうか?
たとえその比率が9:1だとしても、です。
繰り返しですが、
純粋に教育資金のためにジュニアNISAを使うなら、それもアリかもしれません。
が、教育資金用のみではなく、
子どもさんが成人後は、
その運用資金を『本人』に引き継がせたい(プラス、そのあと自分で運用を続けていって欲しい!)とお考えなら、少し注意が必要でしょう。
その注意点とは?
一般NISA(24年より「新NISA」)に紐づけられるという点です。
ジュニアNISAの運用資産は本人が成人後、
本人の「一般NISA口座」(24年より「新NISA口座」)に引き継がれます。
画像元:ZAiオンライン
一般NISA(新NISA)とは基本『非課税期間5年』の税制優遇制度です。
上記図表の通り「新NISA」と名称が変わっても、
制度の存続が確定しているのは今のところ2032年まで。
お子さまがまだ小さい場合、
ジュニアNISAの運用資産が「新NISA」に引き継がれるというのは、新NISA制度が延長されることが前提となります。
話をもとに戻しましょう。
もし仮に、
あなたが望んでいるのが、
『教育資金 プラス 子どもさん本人の資産運用』なら、
ココにより意味があると考えます。
・ジュニアNISA サブ ← もし望まれるなら。
未成年口座とは通常の『課税口座』のことですから、
なんら制約がありません。
一般的な『つみたて投資』ができます。
月2万円でも(もしお子さんが3歳なら)
2万円×12ヵ月×15年で 360万円の「投資の枠」となります。
18歳時点でたとえ300万円分解約されたとしても、
残りの資金を運用し続けるのも(また)「自由」です。
『未成年口座』では、お子さんが成人すると、
新たなログインパスワード、暗証番号が付与されます。
成人後は、真に本人の証券口座になるわけです。
そこから、ご本人が
安易に運用資金を解約してしまうのか。
たとえ5,000円でも、本人がつみたて投資を始められるかどうか。
あるいはFXや暗号通貨や個別株投資に向かうのか・・。
それは、分かりません。
お子さんに「レール」を敷いてあげることは出来るわけです。
あなたは気付いていないかもしれませんが、
あなた自身が真摯に資産運用を行っている時点で、
それはもう、子どもに対する『無言の投資教育』なのです。
さらにいえば、
『未成年口座』で(子どもさんの名前で)
つみたて投資を続ける意味は、
コツコツ資産の積み上げを自分事として実感できるということ。
大人になっても(自然に)やっていけると思いませんか?
たとえつみたて金額は小さくても、
投資資金を入れ続けることで
『塵も積もれば山となる。』を、肌身で感じられる・・
これが未成年口座(課税口座)の優れた点なのです。
ただし一点注意を。
メインの目的が教育資金の確保なら、
(=おおむね18歳時に多くの資金を取り崩すことが決まっているなら、)
安全のため、
教育資金の『つみたて』の半分は、貯蓄で。
もう半分を投資で。というバランス確保は必要になってくるでしょう・・。
カテゴリ:100年ライフプラン